本コラムは、企業・団体などから寄稿された記事となります。掲載している取り組みやサービスの内容・品質、企業・団体などをAMPが推奨・保証するものではありません。

各企業・一人ひとりのパートナーシップ構築の加速をサポートするため、サステナブル推進企業の取り組み事例をコラム形式で提供。

今回は和歌山市の取り組みを紹介する。

和歌山市企画政策課の取り組み

アプローチ視点 和歌山市や和歌山市SDGs推進事業実行委員会等による事業活動を通じて、和歌山市におけるSDGsの普及啓発や、地域レベルでのパートナーシップの促進に取り組んでいます。
実施内容 和歌山市SDGs推進事業実行委員会では、令和5年度、SDGs活動へのやりがいや新たな参画・連携の創出を目的とし、「人生100年SDGsアクション参加活動促進事業」を実施しています。
推進体制 官民の枠を越えて連携して取り組める仕組みづくりのため、2020年1月に「和歌山市SDGs推進ネットワーク」を設立。幹事団体で構成される「和歌山市SDGs推進事業実行委員会」で、SDGs推進に向けた取り組みを実施しています。

取り組み実施に至った背景

和歌山市は紀伊半島の北西部に位置し、関西空港から最も近い県庁所在地です。和歌山城や平成29年度に日本遺産に認定された「絶景の宝庫和歌の浦」、近年観光客が増加している友ヶ島などの歴史・観光資源があります。

リノベーションまちづくりやコンパクトシティを推進する一方で、日本の他の地域と同様に少子高齢化が進んでいます。

和歌山市は、「リノベーションまちづくり先進市」としての認知度を活かして、まちなかでの建築物のリノベーションにとどまらず、加太や和歌浦など郊外の漁村エリアでも、経済・社会・環境などまちを構成する要素の再構築に取り組み、市全体として持続可能な社会を目指し、SDGs推進に向けた取り組みを開始しました。

令和元年7月、内閣府から「SDGs未来都市」に選定され、策定した「和歌山市SDGs未来都市計画」の中で、和歌山市の2030年のあるべき姿として次の5つを掲げています。

①世界が注目する都市機能と自然環境の最適調和都市
②心地よいコミュニティの中で送る豊かな暮らし
③リノベーション先進都市における域内経済好循環の実現
④地域人材が活躍する実践教育の確立による多様な人材の育成
⑤海をはじめとする豊かな自然に触れられる快適なまち

これらを実現するための取り組みのひとつとして、令和2年7月に「和歌山市SDGs推進事業実行委員会」を立ち上げました。

実施している取り組み

今年度、和歌山市SDGs推進事業実行委員会では、SDGs活動のやりがいや新たな参画・連携を創出することを目的に「人生100年SDGsアクション参加活動促進事業」を実施しています。同事業では、団体や個人の方が実施しているSDGsアクション(SDGs達成に向けた取り組み)を募集。市民等からの投票によって「ベストSDGsアクション」を決め、表彰式と受賞者による取り組みの発表会を行います。

令和5年9月からSDGsアクションを募集したところ、20件を超えるアクションが集まりました。応募者は、企業や学校、個人などさまざま。アクション内容は和歌山市ホームページで紹介しています。

SDGsアクション一覧 (和歌山市WEBサイト)

現在、「ベストSDGsアクション」を決める投票を受け付けています。さらに、一次選考を通過した25件のSDGsアクションを”見える化”するため、和歌山市役所本庁舎南側の城前広場でイルミネーションオブジェを点灯するとともに、SDGsアクション紹介パネルを設置しています。インターネットでの投票に加え、和歌山市役所前に整備した城前広場でも投票できます。 JR和歌山駅から和歌山城まで、イルミネーションが彩る冬の和歌山市にお越しの際は、ぜひ投票をお願いいたします。

SDGsアクションの応募や投票には皆さまのご協力が必要なので、ご協力いただきやすいように工夫をしています。

例えば、ご応募いただいた取り組みは、和歌山市WEBサイトへ掲載したり、事例集を作成し配布したりなど、自身の取り組みをがほかの方に見てもらえる機会を用意。加えて、表彰式と発表会といった場を設けることで、応募者のやりがい創出につながることを期待しています。

投票においては、SDGsに関心のない方もいらっしゃるため、投票へのハードルを下げることを一番に考え、イルミネーションオブジェに興味を持った人がその場で投票できるようにしています。SDGsに関心のない方には、投票行動がSDGsに関心を持つきっかけとなることを、すでにSDGs達成に向けて取り組んでいる方は、ほかの方の取り組みを知るきっかけとなり、新たな連携が生まれることを期待しています。

SDGsアクションを公開し投票を開始してから、「初めてこの取り組みを知りました」「名前だけしか知らなかった『SDGs』を知るきっかけになりました」等のお声をいただくことが増えました。また、報道機関から「応募者のアクションを取り上げたい」等の取材依頼もいただいています。

サステナビリティ推進体制

和歌山市にはSDGsへの取り組みに特化した部署はなく、企画政策課内に2人のSDGs推進担当がいます。今年度は、和歌山市主催の事業と、和歌山市SDGs推進事業実行委員会主催の事業で分担しています。 「和歌山市SDGs推進ネットワーク」と、その幹事団体で構成される「和歌山市SDGs推進事業実行委員会」の事務局を和歌山市企画政策課に設置し、SDGs推進に向けて取り組んでいます。

今後の目標や展望

和歌山市SDGs推進事業実行委員会は、令和6年度以降も、SDGsアクションの募集・表彰を継続して実施することで、SDGs推進に対する機運を高め、和歌山市全体として誰もがSDGs推進に取り組みやすくなるための後押しを行っていきます。そして、より多くの連携ややりがいの創出、SDGs達成に向けて取り組む方の増加に繋げていきたいです。

今年度ご応募いただいた取り組みは、現在実施中の投票や今後配布する事例集等を通してたくさんの方に知っていただけるよう広報してまいります。

宮﨑 晴香
和歌山市 市長公室 企画政策部 企画政策課
平成13年(2001年)和歌山市生まれ
和歌山市役所入庁後、広報広聴課でSNSやラジオ番組「ゲンキ和歌山市」(和歌山放送)やテレビ番組「わがまち和歌山」(テレビ和歌山)、広報紙の制作を担当。令和5年度から企画政策課に異動し、和歌山市SDGs推進事業実行委員会事務局を担当。
学校などでもSDGsを学ぶ機会がなかったため、和歌山市におけるSDGs推進を担当することになり戸惑いを感じましたが、先輩たちやご協力いただく市民のみなさまの支えもあり、多くのことを学びながら、「SDGsアクション」の見える化までこぎつけられたことに安心しました。ぜひ、多くの方にSDGsについて知っていただき、投票いただきたいです。
▼お問い合わせ先
●和歌山市SDGs推進事業実行委員会事務局(和歌山市企画政策課内)
●メールアドレス:sdgs@city.wakayama.lg.jp
●URL:http://www.city.wakayama.wakayama.jp/shisei/1009206/1029316/1051074/index.html

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