日々の暮らしのなかにあるサステナビリティを紹介する特集「サステナブック」。第13回に登場するのは、アイドルグループ「アンジュルム」の元リーダーで、現在はソロとして音楽活動を行う和田彩花さん。フランスに留学していた和田さんが、留学前後で変わったというサステナビリティへの向き合い方を紹介。
- 【プロフィール】
- 和田彩花さん
- 2009年、アイドルグループ・スマイレージ(のちにアンジュルムにグループ名変更)の初期メンバーに選出されリーダーに就任。2010年にメジャーデビューし、第52回日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞。2019年にグループとハロー! プロジェクトを卒業。現在は、ソロとしてライブを中心とした音楽活動を続けているほか、大学で学んだアートやジェンダー、フェミニズムに関する執筆・発信活動も行う。
売れ残り商品の注文で食品ロスを削減できるアプリ
——今回ご紹介いただく商品・サービスについてお聞かせください。
飲食店で売れ残った商品などを注文できるアプリ「Too Good To Go」です。まだ食べられるにもかかわらず飲食店で捨てられてしまう食べ物を安く購入でき、食品ロスの削減にもつながるのが特徴です。
——サービスを知った経緯を教えてください。
フランスに留学したとき、友人に教えてもらいました。フランスでは友人とよくピクニックをしていたのですが、そのときにこのアプリを開き、現在地から近いお店でどういうものが買えるのかを見てから注文し、シェアするというような使い方をしていましたね。レストランやパン屋さん、スーパーなどの売れ残り商品があり、なかにはお寿司屋さんもありました。
例えば、パン屋さんを指定して注文すると、一人では食べきれない量が届くんです。友人が自分で食べきれなかった分を私に分けてくれたり、一緒に居る時に近くのお店でどんなものが売っているのかを見て夜ご飯を決めたりもしていました。
ただ、残念ながら日本では「Too Good To Go」は展開されていないので、代わりに同じく食品ロス削減アプリの「TABETE」を使ってみたいと思っています。
——ほかに、普段使用しているアイテムなどはありますか?
マイボトルやエコバッグなど基本的なアイテムの他にも、何度でも使えるシリコン性のジップロックや蜜蝋ラップを使っています。蜜蝋ラップは熱に弱いのですが、余った野菜を包んで保存しておくときに役立ちます。こういったアイテムは100円ショップでも売っているので、日常のなかで気軽に取り入れられますよね。
できるだけビニール袋は使わないようにしていて、例えばネット上にあるレシピなどで、お肉に味をつけるときに「ポリ袋に入れて揉むだけで後片付けも楽だし簡単」とかって書いてあるじゃないですか。そういうのも通常の容器を使ってやるようにしています。
便利さを追求しようと思うと、ついビニール袋を使ってしまいがちですが、「本当に必要かな」と考えるといらないことに気づきました。
私なりのサステナビリティ
——サステビリティを意識し始めたきっかけを教えてください。
「アンジュルム」を卒業した後、フランスに留学したのがきっかけです。フランスのスーパーは基本的に量り売りの文化で、ビニール袋に包まれていないですし、通常の商品とオーガニック商品が必ず置いてあります。
私はオーガニック商品を選ぶことが多かったですが、通常の商品よりも高くなってしまうので、ときにはお財布と相談して「今回はオーガニック食品はやめとこう」という選択をすることもありました。
また、環境問題への意識が高いフランスの友人から、包装されていない状態のプレゼントをもらうことがあります。プレゼントやお菓子などの包装は日本人ならではの気遣いで素敵だと思いますが、フランスでの生活を経て、本当に必要かどうかを俯瞰して見るきっかけになりましたね。
——フランスから日本に帰ってきて、生活は変わりましたか?
できる範囲で、新しく何かモノを買うのをやめました。例えば洋服だと、以前は毎シーズン、新しい商品が出るたびにやっぱり気になって買うこともあったんです。でも、フランスで生活してみてモノを買わなくても幸せなことに気づくと、新しいモノを買うという欲求自体がなくなっていきましたね。必要であれば、古着ショップやフリーマーケットで買うようにしています。
ただ、消耗品であるメイク用品などは、新しく買う必要があるので、そういったものはできるだけサステナブルな素材を使った商品に変えていきたいと思っています。
——何かを購入するとき、サステナブルな取り組みをしている企業の商品を意識して選びますか?
新しく何かモノを買う必要があるときには必ず意識します。フランスでは、輸送によって環境に負荷をかけないという観点から、自分たちの国で作ったモノを自分たちで使うという姿勢が根付いています。私もなるべく日本製品を選んで使っていきたいと思います。
——今後、サステナブビリティとどのように向き合っていきたいですか?
ドイツに行ったときに、生ゴミを堆肥に変える、いわゆる「コンポスト」を見させてもらう機会がありました。マンションの一室で野菜を育て、それを食べて、そこで出た生ゴミを堆肥にし、また野菜を育てるという循環に取り組んでいたんです。
そこで私自身が「こういうことができるんだ!」という気付きがあったように、私が日常に取り入れていることを見て、興味を持ってくれたり真似してくれたりするような人が一人でも増えたらいいなと思います。まずは、自分のできる範囲でやれることを見つけていきたいです。