シミックホールディングスのグループ会社であるharmoは、ドライバーの薬剤服用と運転事故リスクの関連を調査し、ホワイトペーパーとして公開した。
国土交通省の「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」(2010年7月1日発行、2014年4月18日改訂)によると、近年、健康起因事故は報告件数が増加しているという。
harmoは、健康起因事故の原因疾病としては、脳血管疾患、心疾患など予見の困難なケースもある一方、早期に対策することで未然に事故を予防することが可能なケースも多くあるとしている。
同調査は、高齢社会の進行に伴い、増加が懸念される疾患を抱えたドライバーの健康起因事故と薬剤服用との関連についてのデータ入手を目的に実施。
同社が提供する電子お薬手帳サービス「harmoおくすり手帳」の利用ユーザーのうち、過去6か月以内に調剤歴のある20歳以上の人を対象に、運転中のヒヤリハット経験や会社への服薬申告の有無、医療者への職業の申告有無などを調査。2,383人が回答し、おくすり手帳データと掛け合わせて解析を行ったとのことだ。
■調査結果
同調査の結果、直近6か月以内に運転時にヒヤリハット経験「あり」と回答したドライバーは26.0%で、何かしらの薬剤を服用している集団の4人に1人以上がヒヤリハットを経験していることがわかった。
さらに日常的に(週5日以上)運転するドライバーでは30.7%が、特に睡眠鎮静薬を服用するドライバーでは40.4%がヒヤリハットを経験していることが明らかになったとしている。
物流業界は今後、さらに人手不足が深刻となると予測されており、ドライバーの健康管理についての重要性が注目されていくことが考えられる。同社は、同調査によりヒヤリハット経験のあるドライバーにおける服薬実態を明らかしたことで、悲惨な健康起因事故の防止だけでなく、「物流の2024問題」の対策の一助となれば幸いだとしている。
なお同社は、「ドライバーの薬剤服用と運転事故リスクの関係性調査」の結果をホワイトペーパーとして公開。同調査の公表により、自動車・運送業界の皆さまが服薬について理解を深め、安全運転の在り方を検討する場が広がることを期待しているとのことだ。
【調査概要】
調査期間:2022年8月22日から8月29日まで
対象者:「harmoおくすり手帳」スマートフォンアプリケーションユーザーのうち、調査開始時点から過去6か月以内に調剤歴のある20歳以上の人
有効回答数:2,383人
<参考>
harmo『ドライバーの薬剤服用と運転事故リスクの関係性調査』