日本旅行は、日本最大級のデジタル教育施設「REDEE(レディー)」(運営:レッドホースコーポレーション)と、eスポーツ事業に関するコンサルタント契約を締結したと発表した。

今後両社では、シニアマーケットにおけるeスポーツ領域の活用を推進し、社会問題化しているデジタルデバイドを解消できる取り組みを共同で展開していくという。

同社は、従来型の旅行代理店業から、顧客と地域の課題解決に貢献するソリューション事業への転換を進めているという。

長年の旅行業で培ってきたスタッフのホスピタリティマインド、ヒトモノコトあらゆるものをつなぐプロジェクト進行管理スキル、全国規模の営業・顧客基盤といった旅行業の価値を強みに、アライアンスパートナーと課題解決策を共創していくことで、顧客や社会の求める価値を実現するソリューションを提供している。

「REDEE」は、ゲームの体験を通じて、デジタル技術をはじめ、広域な知識やスキルを獲得するための施設として、20年3月に大阪府吹田市のエキスポシティ内にオープンした日本最大級のデジタル教育施設。

2021年12月に行われた実証実験「eスポーツ体験会」の様子

今回、両社共同で、ゲーム・最新テクノロジー体験がシニア世代に与える3つの意義を定義し、シニアマーケットにおけるeスポーツ領域の活用を推進すべく、高齢者施設向けのレクリエーションイベントを企画・運営していくという。

社会において今後一層のデジタル化が進んでいく中、〝高齢者が楽しみながら健康に〟デジタルデバイドを解消できるきっかけづくりをサポートしていく事で、SDGsの掲げる「誰ひとり取り残さない」社会の実現に向けた、社会貢献につながる事業活動として発展させていくという。

今後は、シニアマーケットにおける事業展開を中心に進めていくが、「eスポーツ」という共通言語で、シニアからZ世代までをつなぐなど、世代間をつなぐ新しい社会コミュニケーションの形を顧客や地域に提供していくことまでを見据えているという。

具体事例

実証実験として、2021年12月12日、有料老人ホーム「サンシティパレス塚口」(運営:ハーフ・センチュリー・モア)にてeスポーツ体験会を開催。

「サンシティパレス塚口」は、兵庫県伊丹市にある介護付き有料老人ホームで館内には露天風呂もある天然温泉や広い多目的ホール、様々なレクリエーションルームも併設する人気の高齢者施設。

今回は施設に入居されている高齢者を対象として開催され、当日は60代~90代の入所者に数多く参加し、最高年齢は95歳であったという。入居者は、初めての体験するeスポーツに目を輝かせ、笑顔と歓声の溢れる楽しい時間を過ごしていたという。

参加者アンケートによると、「楽しかった」という回答が85%に上り、「脳に良いと感じた」と回答した人が60%。

また、「なぜか若返った気分」「また是非やってみたい」などのポジティブなコメントも多数、「今後も参加したい」との回答が75%と、多くの高齢者様にとって満足度の高いイベントとなった。

eスポーツという、これまで触れたり感じたことのない新しい体験や動きが刺激となって普段より一層の笑顔や歓声に繋がったのではと予測されるという。

ゲーム・最新テクノロジー体験がシニア世代に与える3つの意義

▼ 楽しみながら健康に「フレイル予防」「健康寿命の延伸」
脳機能の向上、認知症予防など多くの医学的な検証結果が発表されており、エンターテイメントだけでなく心身ともにトレーニングのコンテンツとして最適である。

▼ 参加者だけでなく見学者も含め会話や交流が活発に「社会参加」
「競い合い」の中で仲間やチームを応援、自然と交流の輪が広がる。

▼ 若い世代とシニア層をつなぐコミュニケーションツール「世代間交流」
ゲームという共通の話題を持つことで希薄となりつつある世代間交流を活発に。特にゲーム・eスポーツが持つオンライン・ライブ配信という特徴は、孤独になりがちな高齢者が家族・コミュニティーと繋がる最適なツールである。