ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)は、経済産業省が主導する「『未来の教室』実証事業」の事業者に採択されたと発表した。
同社の同事業への参画は、2018年度以来3年連続になるとのことだ。
経済産業省が取りまとめた「『未来の教室』ビジョン(2019年6月)」では、『未来の教室』の重要な要素として「学びのSTEAM化」が示されている。
2020年度、経済産業省はこの学びのSTEAM化を実現すべく、『STEAM ライブラリ―構想』におけるSTEAMライブラリのプロトタイプ構築を担う事業者を募集。
同社は、経済産業省の示す「『未来の教室』ビジョン(2019年6月)」へ賛同し、2018年度以来3年連続で実証事業に参画しているとのことだ。
ベネッセでは、高校生向けの「防災学習のSTEAM教材」を開発。
日本・世界の災害発生状況も踏まえつつ、高校生たちが自分の住む地域のハザードマップや統計情報をもとに地域の防災・減災を探究し、自分たちが考える災害・減災へのテクノロジー活用事例として、解決策になるロボットを大学・企業・地域自治体と共に考えるという内容となるとしている。
ベネッセはSTEAMの学びを「学習者の意欲(ワクワク)を軸に、情報・テクノロジーを使いこなしながら、様々なテーマを教科横断で探究的に学ぶ学び方」と位置づけ、学校・家庭向けに様々な商品・サービスを企画・開発。
今回は、このノウハウを生かし、岡山大学や複数の高校教員との協働により高校生向け学習支援教材を開発するとのことだ。
教材開発のパートナーとしては、岡山大学大学院 亀川哲志研究室と連携。
亀川准教授は、災害時のレスキューロボット開発に豊富な経験を有し、ロボット開発に含まれるセンサー・制御系・駆動系の先端テクノロジーを学び、それらテクノロジーを組み合わせて災害の問題解決のための新しいロボットを高校生が企画し、プロトタイプを開発していくことをめざすとしている。
昨今の自然災害の増加や被害の深刻化を踏まえ、多くの高等学校が防災教育を実践している。
しかしながら、生徒の生命にも関わる重要なテーマであり、地域社会と学校での学びを関連付けられるテーマであるにもかかわらず「生徒が当事者として取り組めていない」「知識を身に着けるだけで終わり、生徒が実践やアウトプットできていない」などの課題があるとのことだ。
そこで同社は、同事業へ参画し、過去2年間の「『未来の教室』実証事業」の実証成果および多くの教育現場で活用されている同社の学校向け学習支援教材や進研ゼミの制作ノウハウを取り入れたSTEAM教材を開発することにしたという。
同事業で、同社は学校の授業で生徒がワクワクしながら学ぶために教員に求められるノウハウ(生徒への発問やフィードバックの方法)、学校の教科で学んだ知識を社会課題に基づいて探究・研究するためのノウハウを明らかにし、学校現場に提供。
さらに、同プログラムを通じて高校生はSTEAMの学びを推進するために不可欠な情報活用能力、論理的思考力、物事に主体的に関わっていく態度などを身に着けることが期待されるという。
同事業ではこれらのスキルを生徒たちが身に着けられるカリキュラムを開発するとともに、これらスキルを育成・評価する当社の教材やアセスメントとの連携を検討するとのことだ。
同社のSTEAM学習・探究学習支援教材は以下。
Pプラス デジタル・情報活用検定
子どもたちの「デジタル・情報活用力」=「世界を変える力」の育成に貢献できることを願い開発されたという。
Pプラスはデジタル・情報活用力を4領域(情報モラル・セキュリティ、コンピューティング(プログラミング)、情報デザイン(情報活用)、データサイエンス)に整理し、測定。
未来を拓く探究シリーズ 探究ナビ
「探究ナビ」は、探究に必要な考え方や学びのワザ・コツを探究のプロセスごとに解説した生徒向け「テキスト」と、テキストに対応した「ワーク」、教員の効果的な探究学習指導をサポートする「教師用ガイド」に加え、探究の振り返りをサポートする「探究PLカード 創造的な探究のためのパターン・ランゲージ」の4点から構成される。
「進研ゼミ小学講座」でのプログラミング教材提供
課題を解決するための手順を洗い出したり、試行錯誤しながら組み合わせを考えるプロセスで論理的に考える「プログラミング的思考」が楽しく身につく教材を全学年へ。
さらに、「進研ゼミ小学講座」のオプション教材「かがく組」では、冊子教材とプログラミング教具、さらに習得したプログラミングスキルを使って作成した作品を投稿できるWEBサービス「イマクリ」を提供している。
ベネッセSTEAMフェスタ(旧新しい学びフェスタ)
2020年3月および8月はオンラインで開催し、次回は2021年3月に開催を予定。