​日本財団は9月中旬、「メディア」をテーマに19回目となる18歳意識調査を実施し、その結果を2019年10月29日に発表した。

調査結果の主なトピックスは以下になる。

  • 「情報源」 1位テレビ82.1%、2位ソーシャルメディア47.3%、3位ニュースサイト45.1%
  • 「情報の信頼度」 1位テレビ26.2%、2位新聞25.7%、3位ラジオ10.0%
  • 91.9%がSNSを利用、65.2%が情報の真偽確かめたことあり
  • 84.1%が「インターネット上の情報を虚偽と感じたことがある」
  • フェイクニュースに対する法整備 必要56.6%
  • 情報源は「テレビ」が82.1%でトップ。2位「ソーシャルメディア」47.3%

「情報源」 「テレビ」が82.1%でトップ。2位「ソーシャルメディア」47.3%

「必要な情報を何から得ているか」と尋ねたところ、テレビが82.1%でトップに。続いて、ソーシャルメディア(47.3%)、ニュースサイト(45.1%)という結果になった。

「情報の信頼度」 1位テレビ26.2%、2位新聞25.7%、3位ラジオ10.0%

「情報に対するイメージについて教えてください」と尋ねたところ、情報の信頼度では1位がテレビ(26.2%)、2位新聞(25.7%)、3位ラジオ(10.0%)となった。

「詳細な説明がされている」では新聞(27.3%)がトップ。「中立・公平で偏りがない」は上位1、2位のテレビ、新聞でも10%台に留まっている。

SNSの利用率は9割、そのうち3割が情報の真偽を確かめたことがない

真偽を確かめた方法として、「インターネットで詳しく検索する」「Googleで検索」など、インターネットで調べたという内容が最も目立った。

また、「色んな記事を見た」「インターネットや本といったその他いくつかのメディア」「テレビからの情報や複数のサイト比較」など、様々なメディアや記事を比べて真偽を確かめた、という回答も多くあがる。

それ以外にも、「人に聞いた」「テレビや新聞紙」「公式のサイトを見に行った」「実際に現場に行った」「Twitter」など、各々、様々な手段で確かめていることがわかった。

確かめなかった理由は、「面倒」という理由が多数を占め、自ら情報収集の手間や時間をかけたくないという心理がうかがえた。

他にも「確認するほど興味のある内容ではなかったから」や「真偽を確かめる必要があるような情報を収集しているわけではないから」「重要な情報はTwitterで調べない」など、SNSの情報への関心の薄さや、SNSにはあまり重要な情報があがっていないという認識があることが見受けられる。

「確認の手段がなかったから」など、どのような手段で真偽を確かめられるのかわからないという声もあがり、メディアリテラシー教育の必要性が感じられる。

また、「信憑性のあるニュースしか見てないから」など、信頼している情報だから確かめなかったという回答があがる一方、「そこまでSNSの情報は鵜呑みにしていないから」と、もともと信頼していないからこそ真偽を確かめなかった、という正反対の理由もあがった。

​インターネット上の情報を虚偽だと感じたことがある人は84.1%

「インターネット上の情報を虚偽だと感じたことがあるか」と質問したところ、84.1%が「ある」と回答した。

真偽を確かめずに情報を拡散したことがある人は26.3%

真偽を確かめずに情報を拡散した理由は、「信憑性のある情報だと感じた」など、その情報を真実と思い込んでしまったという理由が目立った。

他、「人に話さずにはいられなかった」「面白そうな内容だった」など、他の人に共有したい内容であったという理由や、「人助け」「拡散して手助けしたいと思った」など、善意から拡散するべきだと考えたという声も多くあがる。

それ以外では、さほど重要ではなく虚偽でも周囲への影響が低い情報であったという理由や、早く周囲に伝えたい内容であったという理由が見られた。また、深い考えもなく情報を拡散してしまった人も。

フェイクニュースに対する法整備は必要 56.6%

法整備が必要であると思う理由は、「虚偽の報道で人権が侵害されることもある」「社会が混乱したり、風評被害が起こりうる」など、フェイクニュースにより被害を受けてしまう人の為に罰則が必要という意見が多くあがる。

そして、「言論、表現の自由にも限度がある」「表現の自由を振りかざして、間違った情報で多くの人を混乱させる人や誰かを傷つける人がいる」など、自由のために社会が混乱したり、誰かが被害を被ることがあってはいけないという声も。

法整備が必要ないとする理由は、「自分でその情報の真偽を確かめることも必要な能力」「ネットリテラシーを教育すれば良い」「自分自身で調べることが必要」など、自ら調べて判断する力を身に着けるべきという意見や、「言論の自由が脅かされかねない」「情報規制がされてしまう」などの心配の声があがった。

「わからない」の理由は、「詳しくない」「実態をあまり把握していない」という回答の他、「賛否両論ある」「言論の自由まで侵されるのはおかしいが、嘘が広まるのもよくないと思う」など、どちらの立場も理解できるという理由があがる。

また、「フェイクニュースを規制する法律もありだけど、ニュースに対して、1つのミスも許されない社会もどうかと思う」という意見もあった。


調査概要
対象  :全国の17歳~19歳男女
回答数 :1000人
期間  :2019年9月13日(金)~9月17日(火) 
調査手法:インターネット調査

<参照元>
18歳意識調査 「第19回 – メディア – 」
日本財団