自習室のレンタルといえば、個人がそれぞれのデスクで黙々と作業を続ける姿を思い浮かべる方が多いのではないだろうか。

けれども、現在では会員同士が互いのスキルを共有しあうなど、積極的にコミュニケーションをとる例もあるようだ。

そんな進化系の自習室サービスが、コミュニティコインを発行し独自の経済圏を作れるサービスとタッグを組み、サービスの品質を高めようとしている。

コミュニティスペース×コミュニティコイン発行プラットフォームが連携を開始

全国25店舗に拠点を持ち約4,000人が活用するコミュニティスペース「勉強カフェ」は、国内最大級のコミュニティコイン発行プラットフォーム「fever」と連携して独自コインを発行することによって、コミュニティのさらなる活性化を図ると発表した。

勉強カフェは単なる自習室ではなく、そこにメンバー同士の交流の機会を創出し独自のコミュニティを構築している「大人のための勉強空間」だ。

自習にとどまらずメンバー同士のさまざまな学びあいによって利用者が成長できる場所の提供をモットーとしている。勉強カフェは20~30代の会社員を中心として約4,000名の会員に利用されている。

一方のfeverは、団体・企業あわせ約200組織以上のコイン発行サポートを行ってきた実績を持っている。コミュニティが独自のコイン(コミュニティコイン)を発行して専用の経済圏を構築。

コミュニティコインはメンバー同士で送りあい、感謝や貢献度を可視化したり、コミュニティ内で提供されるサービスなどの決済に活用したりすることもできる。

feverの公式サイトをみると、現時点で多種多様なコミュニティがこのコインを利用しているのがわかる。

メンバーのみをコイン販売の対象にするほか、コインの流通量が増えることにより、それを一般に売り出すことも可能だ。

2つのサービスが組むことでコミュニティをさらに活性化

今回、勉強カフェがfeverと連携した目的は、コミュニティの活性化だ。

コミュニティ内で使えるコインを発行することによって、メンバー同士の繋がりを強めコミュニティをさらに盛り上げようと考えている。

具体的には、feverが持つ「メンバーがスキルやできることを出品できる機能」を利用して、メンバー同士の助け合いや協力の機会を創出する。

また「感謝や貢献をコインを介して送り合う機能」を利用することで、メンバー同士の関係性を深め温かいコミュニティを作ろうとしている。

勉強カフェが考えるfeverのより具体的な活用例は以下のとおり。

  • 会員同士でテーマを決めて話し合う機会をつくる。これによって互いのレベルアップを実現する。
  • 全国各地に広がる別々のスタジオの会員同士が、立地の制約を超えてスキルなどの価値交換をする。
  • コミュニティ内で生まれるいろいろな「ありがとう」の感謝の気持ちを、コインを利用することで可視化する。

経済活動、といってしまうと大げさかもしれないが、「お金」のやり取りが発生することでコミュニケーションが活性化することは容易に想像できる。

勉強カフェのように、すでにコミュニティが確立しているところで、feverのようなコミュニティコインを導入すれば、確かにその効果は高いだろう。この連携がどんな成果を生み出すのか、今後に注目したい。

2つのビジネスを組み合わせ新しいビジネスモデルを作り出した連携としてこんな例も

feverと勉強カフェのように、異なるビジネス同士が連携し新しいビジネスモデルを作り出した例は他にもある。

その一例として、国内最大のワークスペースのシェアリングサービス「スペイシー」と、これまで27万件のマンツーマンのプライベートレッスンを実現してきたスキルシェアサービス「サイタ」の連携について紹介した。

サイタでは、カフェのようにオープンな場所ではレッスンに集中できないといった声や、レッスンを行う会場の用意が負担になっているといった声が上がっていた。

そこでスペイシーが保有するシェアスペースをサイタ利用者が使いやすいようにシステムを構築することにより、利用者の悩みを解決し快適なレッスンが行える環境作りに役立てる。

スペイシー側からすれば、新たな顧客獲得のチャンスにつながるわけで、この連携はお互いにとってWin-Winな相乗効果をもたらすものと考えられる。

サービスの“シェアリング”が新しい価値を創出する

今回紹介した勉強カフェの例のように、すでに一定以上のクオリティを実現しているサービスがさらなる高みを目指すために、全く異なる業種のサービスと連携するという例は他にもたくさんあるようだ。

自社のサービスが頭打ちになったとき、あるいは自社サービスでは達成できない価値を生み出したいときに、他社に連携が可能な魅力的なサービスがないか探してみるのもよいのではないだろうか。

img:PR TIMES , PR TIMES