家庭教師というジャンルにおいて、重要なファクターとしてあげられるのは教育者とユーザーのマッチングだ。この課題解決に対し、AIを用いることでマッチングを高い精度で可能にするモデルが広まってきており、家庭教師の分野におけるテクノロジー化が進んでいる。

今回、株式会社 prdが公開したAIで能力を査定し、授業料を決定する家庭教師C2Cプラットフォーム「スマートレーダー」もその一ついえるだろう。このサービスにより、事前登録された家庭教師ユーザーの査定結果・授業料が開示され、家庭では、検索によって子供に見合った家庭教師をWeb上で簡単に探せるようになる。

サービスページは下記を参照
【家庭向け】
https://app.smartrador.com/family
【家庭教師向け】
https://app.smartrador.com/teacher

成功体験のある教師を選択

スマートレーダーの特徴としては、家庭教師の登録を東京大学、東京工業大学、一橋大学の学生に限定していることがあげられる。(2018年6月6日現在。サービス提供エリア拡大に合わせて対象の拡大を予定)この理由としては、本質的なサポートができるのは、勉強という分野で成功を経験した難関大学の学生である、という同社の考えが根底になっているからだという。


これまで、家庭教師を探すにあたり掲示板などを利用する場合も、斡旋・派遣業者を利用する場合も、家庭教師の能力は、「プロ」・「指導経験」などのあいまいで根拠のない情報ばかりだった。そのため、頼るべき情報の少なさに加え、担当者の一存になってしまうなど、家庭で子供にあった家庭教師を判断することは難しい状況にあった。

これに対し、スマートレーダーは家庭教師会員を最難関大学に限定することに加えて、独自の査定アルゴリズムによる家庭教師の能力の数値化、家庭教師のこれまでの経験や成果をタグという形で付与している。これにより、家庭がweb上で、より簡単に、より正確に子供の状況や目的にあった家庭教師を見つけることができるようになるという。

また、一般的な斡旋・派遣サービスの多くでは、大学名で授業料が決定される。しかし、実際には家庭教師ごとに、得意教科や苦手教科、十分な余裕をもって合格したか、ぎりぎりで合格したか、などさまざまな特徴がある。このため、本来ならばこういった特徴をとらえ、より正確に需要に合った授業料を提案していく必要があった。

スマートレーダーでは、家庭教師から提出された過去の模試成績、本試成績データなどをもとに、独自の査定アルゴリズムによって授業料が査定される。これにより、家庭教師の能力に合った適正な授業料を提案できるという。

契約の明確化、山積みの課題を解決

さらに、個人間契約で家庭教師を利用する場合、明確な契約の不在、日程調整・授業管理の甘さ、家庭教師をやめたいときにやめられないなど、家庭教師を見つけた後の課題も山積している。

これらの問題に対し、スマートレーダーでは、

  • 任意で期間・回数を設定することで簡単に始められ、簡単にやめられる、リクエストベースの契約
  • 事前に決済し、授業実施後、授業報告が確認された際に、家庭教師が授業料を引き出せる、仮払いシステム
  • 授業内容を設定する授業トピックの設定機能
  • オンライン上での日程変更
  • 困った際には、いつでも相談できるサポート体制

など、あらゆる観点から個人間の家庭教師契約を支える仕様や機能を用意しており、契約した後も安心して家庭教師を利用できる体制を構築している。

「プロの家庭教師」によるオンライン家庭教師サービス「メガスタディ」

このようなテクノロジー×家庭教師のサービス例としては、株式会社シンドバッド・インターナショナルが提供している教育業界初の本格的オンライン家庭教師サービス「メガスタディ」がある。これは、オンラインでの授業に加え、講師が大学生ではなく、教えることを本業としている20代~60代の「プロの家庭教師」たちであることが最大の特徴だ。

インターネットで教えるのであれば、移動時間もかからず、地理的・時間的な制約もなく、これまで以上にたくさんの子供たちを指導することが可能になる。さらに、通信衛星などの一方的な授業ではなく、志望校に合わせたオーダーメイドの受験指導を行うことができるというのがポイントだ。

また、同社ではリアルで教えるのと遜色ない教育システムをつくり上げることに成功。初期時点では、私立大学の受験対策に絞ったサービス提供を行なっている。

このオンライン家庭教師サービスは講師・子供たち双方に大きなメリットがあり、サービス開始後、地方都市で受験を間近に控える子供をもつ家庭から多くの依頼があるという。

受験生のモチベーションを引き上げ、偏差値を短期間で伸ばすノウハウを持ったプロ講師が、完全マンツーマンで受験対策を行う。初年度には全国約300家庭に導入し、売り上げは約3億円を見込んでいる。

予備校や塾に代わるC2Cでの教育スタイル

スマートレーダーの最大のポイントは、独自の査定アルゴリズムにより家庭教師の能力を数値化するということだろう。これまでは、家庭教師の能力というものは不明瞭で、最適な人材をみつけ出すことが難しかった。しかしテクノロジーを掛け合わせることで、ユーザーへの精緻な情報提供や、山積する課題の解決を一気に行うことができるかもしれない。

今後は、少子化の影響やテクノロジーの進化によって、予備校や塾といった旧来のスタイルよりも、今回のようなC2Cでの教育スタイルが主流になっていく可能性があるだろう。

img:PR TIMES