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Airbnbによって民泊という言葉が有名になり、もはや「民泊」は多くのひとが注目するビジネスの一つになったといっていい。
2018年6月には新法民泊を控え、宿泊事業立ち上げを考えているひともいるかもしれない。
そんな中、民泊運営管理ツール「m2m Systems」を展開するmatsuri technologies株式会社が、2017年12月26日に宿泊事業者向けに民泊運用および物件が適法かどうかを判定するサービス「民泊・簡宿適法チェッカー」東京都版をリリースした。
最短1分で適法かどうかを判別
民泊・簡宿適法チェッカーは、2018年6月から始まる新法民泊や現行の特区民泊、簡易宿泊所に対応した宿泊事業者向けの民泊運用、および物件が適法かどうかを判定してくれるツールだ。
用途と地域の住所を入力するだけで、最短1分で適法かどうかの判別が可能になっている。新法民泊や特区民泊、簡易宿泊所として運営可能かどうか、入力された物件情報と運用状況を元に判定するというものだ。また、問い合わせフォームを通じて民泊運用の相談や、疑問点についてもスタッフが対応してくれるため、その汎用性は高そうだ。
さらに、同社では複数物件を一度に診断する機能や大阪府、福岡県をはじめとした対応エリアの順次拡大、各自治体の民泊条例の最新情報の更新といった機能を追加していく予定だ。
ただし、このサービスは民泊を許可するものではなく、あくまでも参考として使えるサービスなのだという。各地方自治体などによってその規定の細かさなどは変化するため、本当に適法で民泊事業者となりたい場合は、民泊・簡宿適法チェッカーを使用した上で、その自治体の決まりと照らし合わせる必要がありそうだ。
Airbnbが押し上げた「民泊」市場
米国の宿泊施設・民宿の貸出し者向けウェブサイトAirbnbによって、民泊は大きな市場へと拡大した。Airbnbはいまや「民泊」の代表格であり、世界191カ国65,000以上の都市で宿泊場所を提供している。
もちろん他にも民泊ビジネスのサービスはさまざま存在しており、エクスペディアの展開するバケーションレンタルサービスである「Homeaway」や、富裕層向けに高級な物件を紹介するサービスであるAirbnbが買収した「Luxury Retreats」、また宿泊予約サイトでもある「Booking.com」でも民泊を紹介している。
またAirbnbが流行する以前にも、同じように民泊を提供するサービスとして、「カウチサーフィン」があり、以前AMPでも紹介をしている
カウチサーフィンとAirbnbとの大きな違いは、宿泊費を取らないこと。インターネット上のカウチサーフィンのネットワークには、身分確認と評価制度があり、貸す側(ホスト)と借りる側(サーファーと呼ぶ)と、双方の信頼と信用に基づき宿泊が決まる。
ホストもサーファーも、人との交流を目的としており、ホストが現地をガイドしてくれたりもする。泊まる場所を提供する・借りるというよりも、旅人を助け合うコミュニティという意味合いが強い。
カウチサーフィンについては下記記事を参照
・民泊を巨大ビジネスへと成長させたAirbnb。その根底に流れる「旅の醍醐味」とは?
楽天も参入を発表した有望市場
民泊に関するさまざまな背景を受け、国内でも企業の民泊事業への参入がはじまっており、楽天もその一つである。
楽天グループの民泊事業会社である楽天LIFULL STAY株式会社は、アパートの賃貸事業と開発事業をコア事業とする株式会社レオパレス 21向けに、民泊・宿泊運用に関わる一連の業務を一括して行う運用代行サービスを提供することを発表した。
楽天 LIFULL STAYは、民泊施設・簡易宿所オーナーおよび不動産事業者向けに「全部運用代行パッケージプラン」を提供するとのことで、今回のレオパレス 21 への提供が初めてとなる。
同プランは、集客、空室管理、問い合わせ対応、清掃など、宿泊運用に関わる一連の業務を楽天 LIFULL STAY が一括して行う運用代行サービス。民泊を開始するために必要なサポートを全て提供するという。
2020年には2,000億円前後まで急成長する民泊市場規模
民泊物件データ検索サイト「SPIKEデータ」は、2015年の民泊市場規模は約130億円にのぼり、「東京五輪」開催の2020年までには2,000億円前後まで急成長すると予測している。
このように2020年へと向けて確実に広がり、定着していくであろう民泊。今回のようなサービスなどを受けて、事業者側でのユーザーの参入も増加していくことだろう。
img; PR TIMES