テラドローンは、クマよけスプレーを搭載したドローンの開発を完了し、発売を開始した。

テラドローン、クマよけスプレー搭載ドローンを発売開始

同製品は、オペレーターがクマから約500m~1km離れた位置で操作し、FPVカメラで状況を確認しながらトウガラシ成分「カプサイシン」を主成分とする非致死的スプレーを噴射する仕組み。風向きを待つ必要がなく、最小限の噴射で対応できる点も特徴とされる。

主要スペックは、飛行時間約10分、サイズ390mm角、電波距離12km、GPS Position飛行対応で、FPVジンバルカメラとスプレー缶を搭載している。さらに2026年3月を目途に、飛行時間75分・赤外カメラ搭載モデルの開発も進めているという。

今後は、各自治体との協定を通じて地域の測量会社や防災事業者がオペレーターを担う体制を整備し、講習や保守を含めた運用を展開する計画だとしている。

クマよけスプレー搭載ドローン

同社によると、2025年は全国的にクマの出没と人身被害が急増しており、環境省の集計では4月以降に負傷者が100名、死者が12名を超える過去最悪の水準に達しているという。特に秋田・岩手など東北地方で深刻化しており、住宅地や学校周辺での遭遇も相次いでいる。秋田県では自衛隊が後方支援を実施するなど異例の対応もみられるといい、現場の安全確保と配慮の両立が課題となっている。

テラドローンはこれまで、測量・点検・農業分野においてドローンソリューションを提供してきた。2025年1月には屋内点検用ドローン「Terra Xross 1」を開発し、従来機種の約3分の1の価格を実現している。こうした技術を応用し、今回は上空からの広域探索と安全確保を両立する形でクマよけスプレー搭載ドローンを開発したとしている。