INDEX
エス・ピー・ネットワークは、2019年、2021年、2023年に引き続き、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」についての実態調査を実施し、結果を公表した。
1.約7割が消費者から、約半数が取引先などからのカスハラを受けた経験あり
個人顧客からカスハラを受けたことがあるとの回答は約7割(72.1%)にのぼったほか、半数以上(51.3%)が法人顧客からカスハラを受けたとも回答。

同社の前回調査と比較すると、消費者から・取引先からのいずれにおいても、不当要求やカスハラを受けたことがあるとの回答が微増となっている。

また、消費者からの不当要求やカスハラの内容については、前回調査同様「威圧的な言動」(33.8%)、「執拗な言動」(32.6%)「サービスの強要」(24.7%)が20%を超えに。
取引先などからの不当要求やカスハラの内容については、「威圧的な言動」(16.7%)、「サービスの強要」(15.0%)「値引きの強要」(16.5%)が上位でとなったという。
2.約半数がカスハラによる「従業員のメンタルやモチベーションの低下」を感じている
不当要求やカスハラが与える影響については、前回調査と同様「従業員のメンタル低下・モチベーション低下」が最も多く(50.9%)、次いで「対応の手間に伴う本来の仕事への圧迫」(28.8%)と続く。

3.法律や条例によるカスハラ対策義務化の認知度は約7割
2026年施行予定の労働施策総合推進法のほか、2025年の東京都のカスハラ防止条例施行をはじめ、各都道府県でもカスハラ対策の義務化が進むなか、同調査において、法律や条例によるカスハラ対策義務化の認知度を調査したところ、約7割(69.7%)が知っていると回答。
知らないとの回答は約3割(30.3%)となっている。

4.16.1%が同僚や上司のカスハラ加害を見聞きしたことがある
2026年施行予定の労働施策総合推進法において、事業者は、社員がカスハラの加害者にならないよう、労働者の言動に必要な注意をはらい、研修等の必要な配慮をするよう努めなければならないとされている。
こうした中、今回の調査においてカスハラ加害者を見聞きしたことがあるかどうかを調査したところ、16.1%が見聞きしたことがあると回答。この結果に同社は、今後は社員がカスハラ加害者にならないための取り組みも企業として必須であると考察している。

また、同僚や上司のカスハラ加害を見聞きしたことがある回答者は、見聞きした内容について「取引先に対する粗暴行為を見たことがある」(6.2%)、「業界の慣習として当然のように行われている」(6.1%)を選択する結果となった。

【調査概要】
調査期間:2025年7月7日~8日/調査対象:全国の20代から60代の男女
調査対象職種:営業・販売、一般事務、専門職、総務・人事、カスタマーサポート、
顧客管理・品質管理、技術・設計、情報処理システム、生産・製造等
対象条件:企業でクレーム対応を行った経験のある会社員1,030人
調査方法:インターネット/調査協力会社:株式会社マクロミル
<参考>
エス・ピー・ネットワーク『「カスタマーハラスメント(カスハラ)」についての実態調査』