みずほフィナンシャルグループとソフトバンクは、AGI(汎用人工知能)時代を見据えたAI領域での戦略的包括提携契約を締結したと発表した。
同契約に基づき、みずほはソフトバンクとOpenAIが共同開発を進める、企業向け最先端AI「Cristal intelligence(クリスタル・インテリジェンス)」を金融業界で初めて導入する予定であるという。
みずほは、顧客と社会課題を起点に、最先端AI技術を活用し「最高の顧客体験」と「オペレーショナルエクセレンス」の実現を目指すとしている。具体的には、2030年度までに2024年度対比で約3,000億円の効果発現を目標に掲げている。
主な取り組み内容として、法人顧客向けに24時間365日、膨大な取引データや市場動向を解析し、最適な融資や経営アドバイスを即時提供する体制の構築を進めるという。重要な判断が必要な場面では、金融の専門担当者への相談も可能とし、AIと人のハイブリッド型サービスを提供するとのことだ。
また、営業活動の生産性を2倍以上に向上させることや、低付加価値業務の最大50%削減、コンタクトセンター関連業務の生産性最大50%向上も目指すという。
さらに、みずほとソフトバンクは、ソフトバンク子会社のSB Intuitionsが開発する日本語特化型大規模言語モデル「Sarashina」を基盤とし、金融業界向けのLLM(大規模言語モデル)の研究開発も開始する予定だと発表している。
みずほは、これらのAI技術を活用することで、採用・育成・評価・異動などの人材関連プロセスにもAIを導入し、人ならではの付加価値提供力を高めることを目指すとしている。