帝国データバンク(TDB)は、事業継続計画(BCP)に対する企業の見解について調査(※)を実施、2019年6月13日にその結果を発表した。

それによると、BCPの策定状況において、「策定している」と回答した企業は、前年比0.3ポイント増の15.0%にとどまった。

BCPを策定している企業は15.0%にとどまる

まず、事業継続計画(BCP)の策定状況において、「策定している」と回答した企業は、前年比0.3ポイント増の15.0%にとどまった。また、『策定意向あり』(「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」の合計)でも45.5%と半数に満たず、依然としてBCPの策定が進んでいない実態が浮き彫りとなった。

また、BCPの『策定意向あり』とした企業のうち、事業の継続が困難になると想定しているリスクでは、地震、風水害、噴火などの「自然災害」(72.5%)がもっとも高く、次いで「設備の故障」(40.9%)、が続いた。

事業中断リスクに備えて実施・検討していることでは、「従業員の安否確認手段の整備」(72.2%)、「情報システムのバックアップ」(61.5%)、「緊急時の指揮・命令系統の構築」(47.2%)が上位となった。

そして、BCP策定の効果について、策定済みの企業では、「従業員のリスクに対する意識が向上した」が59.3%でトップ。以下、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」(35.4%)、「事業の優先順位が明確になった」(32.9%)が続いた。

BCPを策定していない理由は、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」(43.9%)がもっとも高い。次いで、「策定する人材を確保できない」(33.7%)、「書類作りでおわってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」(27.9%)が続いた。

帝国データバンクでは、BCPの策定は、自社における社員のリスクに対する意識向上や業務改善に効果があるものの、ノウハウや人手が不足しているなどにより障壁はまだまだ高いようだとみている。政府や行政機関は、企業の策定推進にむけて一層の取組み支援を行う必要があると考察している。

(※)本調査は2019年5月時点のもの。
調査対象は全国2万3,169社で、調査期間は2019年5月20日~31日。有効回答企業数は9,555社(回答率41.2%)。なお、事業継続計画(BCP)に関する調査は、2016年6月以降、毎年実施し、今回で4回目。

<参照元>
『「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2019年)」を発表』