帝国データバンクは、家庭の食卓における物価上昇の影響を可視化する「カレーライス物価指数」の2025年2月分を発表した。

同月のカレーライス物価は1食あたり407円となり、初めて400円を突破したとのことだ。前年同月(319円)から88円、前月(396円)からも11円の上昇であり、比較可能な2015年1月以降で過去最高値を記録したという。これで11カ月連続の最高値更新となった。

「カレーライス物価指数」推移(全国平均)

「カレーライス物価」は、家庭で6食分を調理する想定で使用する材料や水道光熱費をもとに、全国平均価格を試算したもの。構成要素にはニンジン、ジャガイモ、タマネギ、輸入牛肉、コシヒカリ(1食あたり約1合)、市販のカレールー、食用油、水道・電気・ガス代が含まれるという。

品目別では、全体の約5割を占める「カレー具材(肉・野菜)」の費用が209円となり、猛暑による生育不良の影響が続いた2024年8月以来の高値水準だった。また「ごはん(ライス)」は前年同月比77円増の169円と、こちらも過去最高値を更新した。水道光熱費は政府の補助により4円で推移し、低下傾向にあるという。カレールーの価格(25円)は変動がなかったとしている。

カレーライス物価を構成する費用 内訳

これらをもとに算出した「カレーライス物価指数」は、2020年平均=100とした場合、2025年2月には148.4となった。5年間で約5割、2015年2月比では65.4%の上昇とされており、記録的な物価高を示す結果となった。前年同月比では27.4%上昇し、21カ月連続のプラス、かつ2015年以降で最大の伸び率となったとのことだ。

同社は、3月のカレーライス物価について、東京都区部の物価動向をもとに1食あたり420円前後までの上昇を予測している。野菜価格は平年を上回る見通しであり、輸入牛肉もトランプ関税の影響で価格高騰リスクを抱えているという。また、コメの店頭価格も高値が続いており、1食あたり180円台に達する可能性があるとしている。

一方で、電気・ガス代については政府の支援策により、3月調理分までは値下がり傾向が続く見込みだが、4月以降は上昇に転じる可能性があるとのことだ。

今後もカレーライス物価は、高止まりあるいは上昇基調が続くとみられており、家計への影響が懸念されている。