大林組とKDDIスマートドローンは、石川県輪島市の国道249号啓開工事において、自動充電ポート付きドローンを活用した遠隔運航を開始した。
同取り組みでは、KDDIスマートドローンのオフィスから遠隔で運航されるドローンが、月曜から金曜に毎日撮影を実施。撮影データは低軌道衛星通信Starlinkを通じてクラウドにアップロードされ、3次元モデルやパノラマ写真が生成されることで、現場のデジタルツインが構築されているという。
国道249号は石川県七尾市から輪島市を経て能登半島を一周する重要な交通路であるが、2024年1月の能登半島地震による地割れや崩落により、輪島市沿岸部の一部で通行止めとなり、大林組がこの区間の啓開工事を進めている。全長約3kmにわたる同工事では切土や盛土、舗装などの作業が求められ、広範囲にわたる計測作業が必要となっているが、自動計測可能なドローン運航により、作業の効率化が図られているとのことだ。
大林組は、2022年度の技術検証で同様のドローンを用いることで現場監理業務が約80%削減できることを確認しており、今回の工事でも同様の効率化が実現されていると発表している。また、従来のドローンと比較し、現場移動やデータ処理にかかる時間削減も確認されているという。
さらに、2024年9月21日に発生した能登豪雨の際にも、ドローンの運航を継続し、迅速な被害状況把握に活用したとのことだ。
今後、大林組とKDDIスマートドローンは、ドローン技術による社会インフラの効率化を目指し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めるとしている。