NPO法人ホームスタート・ジャパンは、地域の先輩ママが孤立しがちな親子の家庭を訪問し、共感をもって寄り添うボランティア活動「ホームスタート」の利用実績と、充足度調査の結果を公表した。
コロナ禍で訪問家庭数が激減、その後回復し、コロナ以前を上回る利用数に
ホームスタートは、50年前にイギリスで始まり、世界22カ国に広がった家庭訪問型の子育て支援。子育て経験のある地域の人たちがボランティアとして地元の親たちを支える活動となっている。
2023年4月~9月の「ホームスタート」利用者は、32都道府県で計977家庭となり、コロナ禍で家庭訪問が難しくなる前の実績を上回り、上半期として過去最高となったという。
例年、上半期より下半期の訪問が多くなるため、2023年度年間でも過去最高となるペースとし、2023年度は年間2,000家庭を上回る見込みとのことだ。
「孤立感の解消」など、効果の高さは10年以上継続
ホームスタート・ジャパンは、2009年のNPO法人発足以来、訪問を始める前の親のニーズ把握と、一連の家庭訪問終了後の充足度の調査を続けているという。
ニーズの第1位は「孤立感の解消」で、全利用家庭の66%にのぼり、集計を始めてから常にトップとなっているという。次いで第2位は「子どもの成長や発達の機会を作る」で59%、第3位は53%で「親自身の心の安定」と続く。
親が自身の孤立感や不安を抱えながらも、子どもの健やかな成長や発達に力を尽くしたい気持ちがうかがえる結果となっている。
ニーズに対して訪問終了後の効果を表すのがニーズ充足度で、「孤立感の解消」は、96%の家庭が充足あるいは一部充足したと回答。14項目すべてのニーズに対する平均ニーズ充足度は89%にのぼり、約9割の家庭で悩みが軽減されているとのことだ。
【調査概要】
2023年上半期の結果とあわせて、2022年10月1日~2023年9月30日までの1年間のデータで集計
【内容】乳幼児家庭のニーズと効果、産前家庭のニーズと効果、利用者・子ども・ボランティアの年齢構成、ホームスタート利用申し込みのルート、利用家庭数・訪問回数、ボランティア登録数など
<参考>
ホームスタート・ジャパン『上半期の利用家庭数、コロナ前を上回り過去最高に』