総合転職エージェントのワークポートは、全国の転職希望者265人を対象に、【働き方改革】についてアンケート調査を実施、2019年3月8日にその結果を発表した。
それによると、働き方改革関連法が施行されても自分の働き方は「変わらない」と予想する人が83.0%もあることがわかったという。
大半が期待していない働き方改革関連法
2019年4月より働き方改革関連法が施行される。これに伴い、労働基準法をはじめ労働者派遣法、労働契約法など仕事や生活に深く関連する法律が改正されることになるが、「働き方改革」に対する世間の認識はどうなっているのだろうか。この調査は、ワークポートが同社の利用者265人を対象に「働き方改革」について調査したもの。
まず、対象者に働き方改革関連法が施行されたら自分の働き方は変わると思うか質問したところ、83.0%の人が「いいえ」と回答し、改革への期待値が低いことがわかったという。
理由については「働き方改革の恩恵を受けるのは大手企業だけだと思うから」(20代・女性・販売)、「中小企業が変わるまでには時間がかかるから」(30代・男性・システムエンジニア)、「会社は何も考えていないから」(30代・男性・事務)といったように、自分の勤める会社の規模や会社への期待値の低さを理由にしたものが多く見られたという。
企業規模によって時間がかかる理由としては、ひとり当たりの業務量の改善や、人員不足の解消に目処が立っていないことを理由とする意見が多く見られたようだ。
また、働き方改革の大きなトピックスとして、年5日の有給休暇の取得が義務付けられる「年次有給休暇の取得促進」が挙げられ、SNSやインターネットのニュース記事でも話題となった。しかし、改革全体の理解度はどの程度なのだろうか。
働き方改革の内容について理解度を聞いたところ、「やや理解している」と回答した人は38.9%で、「よく理解している」と回答した人は7.5%にとどまったという。
ワークポートでは、いずれにしても、働き方改革の内容を理解している人は46.4%と半数に満たず、この結果が働き方改革への期待値に反映されているとも考えられるとしている。
企業にとってはどれだけ従業員が納得する改善ができるかが課題
そして、現在勤めている会社で、働き方改革関連法施行に先駆けて取り組んでいることはあるか聞いたところ、77.0%が「ない」と回答し、「ある」と答えた人は23.0%にとどまった。多くの企業はまだ働き方の改善に向けた具体的な取り組みは行っていないようだという。
また、働き方改革に先駆けて行っている取り組みとしては、「有給休暇をとれる環境を作るため抜本的な採用計画の作成」(30代・男性・管理)といった人手不足解消に向けたものや、「育児時間や男性の育児休暇、残業の短縮」(30代・女性・営業)といったライフスタイルとの両立に向けたもの、「フレックス制度、在宅勤務などのさまざまな働き方制度の導入」(20代・女性・システムエンジニア)といった個人に合わせた働き方の実現が挙げられた。
さらに、勤務先で取り組みを行っていると答えた人に「その取り組みによって自分の働き方は改善されたか」と質問したところ、42.6%が「はい」と回答したという。
これらの結果について、同社では、現状半数には満たないながらも、取り組みを行うことで少なからず働き方の改善が見られるとしている。
また、およそ80%の人が現時点(2019年3月8日)で4月の働き方関連法施行後も働き方は「変わらない」としているが、4月の施行後どの程度の変化が出るか引き続き注目していく必要があるという。企業にとっても、どれだけ従業員が納得する働き方の改善をしていくことができるかが課題であると総括している。