2019年2月28日、NTTデータ経営研究所は「eスポーツへの興味関心・eスポーツ系ゲーム実施状況に関する調査」の結果を公開した。

調査期間は、2018年11月26日~2018年27日。全国の10代~70代の男女を対象とし、1,118人の有効回答を得ている。

調査から得られた主なトピックスを、以下に挙げる。

  • 「eスポーツ」という言葉を聞いたことがある人は、78.8%に達するものの、内容まで知っている人は3割程度
  • ”eスポーツに対して持っている印象”でもっとも多かったのは「新しい、先進的(29.8%)」。ネガティブでは、「一部の人が没頭している特殊な趣味」(17.9%)
  • 若い世代であるほど、ポジティブな印象がネガティブな印象を上回る
  • ”eスポーツと聞いて想起するゲームの種類”は、「格闘ゲーム・格闘アクション」(36.0%)・「スポーツゲーム」(30.0%)
  • スポーツ活動の習慣がある人の方が、eスポーツの認知度は高く、ポジティブな印象を持っている
  • eスポーツ系ゲームをやらない理由は、「そのゲーム自体に興味が無いから」(38.2%)がもっとも多い
  • スポーツ系のゲームをやったことが無い人は、”行動型の趣味”・”伝統的な趣味”を好む
  • やってみたいのは「脳力」「カロリー消費」「教養」など、実質的な効果が出るようなゲーム
  • 自身の子どもがeスポーツをすることについては、中立的立場が38.8%。「好ましくないと感じる」の24.4%を上回る

eスポーツの認知・理解


「eスポーツ」という言葉及び内容の認知度(N=1,118)

調査ではまず、eスポーツの認知状況について調べている。結果、「聞いたことがあり、内容について、どのようなものか知っている」人が35.2%、「聞いたことはあるが、内容は知らない」という人が43.6%となった。

つまり、「eスポーツ」という言葉を聞いたことがある人は、78.8%に達するものの、内容まで知っている人は3割程度ということになる。


「eスポーツ」という言葉及び内容の認知度(年代別、男女別)

eスポーツの認知状況を年代別にみる。

「内容について、どのようなものか知っている」という回答者は、男性20代では45.4%、男性30代では50.0%、男性40代では47.5%だ。20代~40代男性の「eスポーツ」の内容理解率が、約5割と高い。


eスポーツに対するイメージ(ポジ・ネガ)(N=1,118)

調査では、”eスポーツに対して持っている印象”についても聞いている。

もっとも多かった回答は「新しい、先進的(29.8%)」。以下、「どのようなものか、イメージがわかない(26.0%)」を除くと、次に多いのが「楽しそう(22.5%)」とつづく。

一方で、「一部の人が没頭している特殊な趣味」(17.9%)や「不健康そう」(15.2%)といったネガティブな回答も目立っている。


eスポーツに対するイメージ(男性、年代別)


eスポーツに対するイメージ(女性、年代別)

eスポーツへの印象について、男女別・年代別にみる。

男性では、20代から40代で、ポジティブな印象がネガティブな印象を上回っている。一方、女性では、20代と30代で、ポジティブな印象がネガティブな印象を上回った。

若い世代であるほど、ポジティブな印象がネガティブな印象を上回っている。


eスポーツと聞いて想起するゲームの種類(N=1,118)

次に、「eスポーツと聞いて想起するゲームの種類」は何かについて調べている。

「格闘ゲーム・格闘アクション」を想起する人が36.0%でもっとも多い。「スポーツゲーム」が30.0%でつづいた。

もっとも低くかったのは、「現実世界とバーチャル世界を融合して行うゲーム」で、14.8%。

フィジカルスポーツとeスポーツの関係


スポーツの習慣とeスポーツの認知度 (N=1,118

”スポーツの習慣とeスポーツの認知度”の関係を調べている。

結果、スポーツ活動の習慣がない人に比べて、スポーツ活動の習慣がある人の方が、eスポーツの認知度は高いことがわかった。

調査をおこなったNTTデータ経営研究所では、「『スポーツ』という言葉を使っていることで、スポーツに馴染みのある人の関心を惹くことができている可能性がある」と指摘している。


スポーツの習慣とeスポーツへの印象 (N=1,118)

また、”スポーツの習慣とeスポーツへの印象”の関係についても調査がおこなわれた。

スポーツ活動の習慣がない人に比べて、スポーツ活動の習慣がある人の方がポジティブな印象を持っている傾向が強い、という結果が出ている。

これについては、「『スポーツ』という言葉を使うことで、スポーツに馴染みのある人からの印象を良くしている可能性がある」との分析を示した。

eスポーツ系ゲームをやったことがない理由、やってみたいと思うゲーム

eスポーツ系のゲーム5種及び現実世界とバーチャル世界を融合して行うゲームをやったことが無い理由(N=613)

”eスポーツ系ゲームおよび、現実世界とバーチャル世界を融合して行うゲーム”をやったことがない理由をたずねた。

結果、「そのゲーム自体に興味が無いから」が38.2%でもっとも多い。以下、「機器などをそろえることが面倒だから(18.4%)」「他に優先したい趣味があるから(13.2%)」とつづく。

この結果については、「eスポーツ系ゲームの普及のためには、そもそも興味がない人に興味を持ってもらうことも必要」との考えが提示されている。


eスポーツ系のゲーム及び現実世界とバーチャル世界を融合して行うゲームをやったことがない人の趣味上位11(N=613)

調査では、”eスポーツ系のゲーム5種および現実世界とバーチャル世界を融合して行うゲームをやったことが無い人”の「趣味」についても調べている。

結果多かったのが、旅行・ショッピング・グルメ食べ歩きといった行動型の趣味、音楽鑑賞・映画鑑賞・読書といった伝統的なコンテンツ型の趣味だった。

「行動型の趣味、伝統的な趣味を好む人にとって、eスポーツ系のゲームの魅力をどう伝えるかが課題」だという。


あったらやってみたいと思うゲーム(N=1,118)

では、やってみたいと思うゲームは何か。現在のeスポーツ系のゲームにはない「新しいゲーム」への興味を聞いている。

結果、「やってみたいと思うものはない」という回答が5割程度を占めた。

挙がったのは、「学習力の向上や認知症予防など、脳に良い効果をもたらすゲーム」(23.8%)、「カロリー消費を伴うゲーム」(18.6%)、「将来に役立つ知識や教養がみにつくゲーム」(17.6%)。

実質的な効果が出るようなゲームへの関心も、ある程度認められる結果となっている。


自身の子どもがeスポーツをすることに関する意識(N=570)

自身の子どもがeスポーツをすることについては、どう考えるか。子どもがeスポーツをやることに関する意識を調べている。

「子供がやりたいことであれば、やるべきだと思う」という中立的立場が38.8%。「好ましくないと感じる」の24.4%を上回った。

一方で、「内容を知らないので、なんともいえない」も35.6%と、多くなる結果となった。

<出典元>
「eスポーツへの興味関心・eスポーツ系ゲーム実施状況に関する調査」
NTTデータ経営研究所

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