日本シグマックスは、働く人を対象にした「職場での暑さ対策に関する実態調査」を実施し、結果を公表した。
■調査結果
(1)暑熱環境下で働く5438名のうち、77%が暑さによって仕事の効率への影響が『ある』。そのうち3人に1人は熱中症を身近に感じたことがある。
暑熱環境下で働く5438名のうち、全体の4分の3を超える77%の人が仕事の効率への影響が「ある」と回答。また、そのうち35.5%の人が「熱中症もしくは似た症状の発症」を自身もしくは同僚に体験している。
「休憩を頻繁に取ることによる作業時間の減少(39.5%)」、「集中力などの低下(38.1%)」という回答の割合も高くあり、仕事環境における暑さ対策が、働く人の健康管理という面でも、業務の生産性向上という面でも課題となっていることが明らかになった。
(2)職場(会社)について、73%が暑さ対策を「実施していない」「実施しているが不十分」と回答。また半数以上が「個人で暑さ対策を追加実施している」。
職場(会社)での暑さ対策について「十分実施できている」という回答は27%にとどまり、73%は「実施しているが不十分(56%)」「実施していない(17%)」ととらえていることがわかった。
同社は、この背景には企業側の暑さ対策への取り組みの本気度が不十分ということだけではなく、課題を把握していても効果的な対策を打てていないことが推測できるとしている。
また、個人でも独自に暑さ対策をしている人は6割を超え、現場での困りごとの大きさが感じられる結果に。
(3)具体的な企業が取っている対策は「エアコン」「飲料」「食品」などが上位。従業員自身で取る対策は「下着」「飲料」「汗拭きシート」など。今後試してみたいアイテム1位は『身体冷却服』。
現場での暑さへの課題を解決するために、会社が行っている方法としては、エアコン設置が31%と最も多く(スポットクーラーを合わせると47%)、経口補水液等の飲料支給(25%)、塩飴等の食品支給(22%)、ファン付きウェアの支給(18%)が続いた。
一方で、個人で実施している対策としては、飲料の摂取(33%)、涼しいインナー等の着用(29%)、汗拭きシート等の使用(22%)、冷却グッズの使用(19%)などが上がり、個人でも手軽に購入できる製品を使って対策をしていることが見て取れる。
今後、新しく暑さ対策で取り入れてみたい(試してみたい)対策としては、身体冷却服(ファン付きウェアを除く水冷服など)が一番多く、冷却グッズ、涼しいインナー、ファン付きウェアなどが続いている。
暑熱対策製品は各社から毎年新製品や改良品が発売されているが、同社はアンケート結果から、現状の対策では満足していないので新しい製品を試してみたいという意識がうかがえたとしている。
【調査概要】
調査期間:2023年7月24日~7月30日
調査対象:全国の建設・製造・運送・鉄鋼・電気通信・電気ガス水道等の業務に従事する男女計1万人
(うち、屋内屋外を問わず、夏期もしくは年中暑い環境で働く機会があると回答のあった5438名について分析)
調査方法:インターネット調査
調査機関:株式会社まーけっち
<参考>
日本シグマックス『職場での暑さ対策に関する実態調査』