群馬県高崎市で4月29日と30日に開かれる先進7か国(G7)のデジタル・技術相会合の共同声明原案が、18日に明らかになった。案によると、AIを巡り、近年の個人情報の流出問題などを踏まえ、「責任あるAI」の実現を掲げて「行動計画」を採択するという。ChatGPTなどの対話型AIサービスについて、G7が連携して安心して利用できる環境を整える方針を明確にした。偽情報対策など信頼あるインターネットの確立を目指す取り組みも進める。G7がAIの行動計画を採択するのは初めてである。
G7は、急速に発展するAIの潜在的な可能性とリスクに対して警戒を表明した。声明に基づいたAIのガバナンス、ネット空間での信頼性のある自由なデータ流通、6Gのビジョンなどを含む複数の別文書を策定する。概要は以下のとおり。
■AIについて
・AIが社会に与える影響が重大であると指摘
・生成AIは「潜在的な影響力に対する分析と研究」を加速していくことを確認
・ネット空間の信頼性向上に向けた取り組み
■インターネットについて
・世界をつなぐ海底通信ケーブルについて安全保障上の重要性を確認
・政府によるインターネット接続の遮断や制限は強く非難する方向
・一部の巨大ITによってネット事業が寡占化している現状への対応で連携
・偽情報対策など、インターネット環境の信頼性を高めるための取り組みを議論
■会合や政策について
・競争政策の当局トップが集まる会合を2023年秋に開催
・デジタル分野における競争環境について、G7間で緊密に情報交換し効果的な政策につなげる