仕事がよくできるビジネスパーソンほど、スキマ時間をよく使いこなしているという。

実際、通勤電車内などで生じるスキマ時間は、1週間・1カ月などでまとめるとそれなりに大きな時間になる。

例えば、通勤で1日約40分電車に乗るとしても、1カ月の通勤日数を22日とすれば、通勤の際のスキマ時間は1カ月合計約15時間にもなる計算だ。

この時間を有効活用する人とそうでない人、どちらがビジネスをする上で有利になりやすいか、いうまでもないだろう。

実際、現代の忙しいビジネスパーソンたちは、この時間をどう活用したいと考えているのだろうか。

約半数のビジネスパーソンが通勤時間をスキルアップに活用したいと回答

ビジネスパーソンのスキルアップを支援するオンラインスクールでは、2018年8月、1都3県在住の通勤に電車を利用するビジネスパーソン男女1,000名を対象として、「通勤電車内での学びに関する実態調査」を実施した。

その結果、通勤電車内の通勤時間を自身のスキルアップ・自己研鑽にあてたいと回答したビジネスマンは、「とても思う(19.1%)」、「どちらかというと思う(31.0%)」あわせて全体の約半数(50.1%)に及んだ。

年代別にみると、通勤時間にスキルアップや自己研鑽したいと回答した割合が最も多いのが20代(63.5%)で、僅差で30代(62.0%)がそれに続いた。

通勤電車内のスキマ時間を学びに利用したいと考えるビジネスパーソンは多いようだ。

またこれから会社の中核を担っていく存在となる若い世代のほうが、通勤電車の時間をスキルアップに活用したいと考えていることもわかる。

若い世代ほど成長の意欲が強く、スキマ時間の活用を希望しているということだろう。

4割を超えるビジネスパーソンが1年以内に通勤電車内で勉強している

この調査では、過去1年以内に通勤電車内で学習した経験があるかについても聞いた。

結果、全体の44.6%が「ある」と回答。すでに通勤電車内のスキマ時間を学びに活用しているビジネスパーソンが一定以上いることが分かった。

世代別にみると、経験があると答えた割合が最も多かったのが20代の63.0%で、30代(54.5%)がそれに続いた。希望だけでなく、実際に実践済みの数についてもこの世代が最も多いようだ。

通勤電車内の勉強は、会社の業務に関連した内容がトップ、英会話が2位

次に、過去1年以内に通勤電車内で学習した経験があると回答したビジネスパーソン446名に対して、実際にどんな勉強をしたのかを聞いた。

結果、最も多かったのが「自身の会社の業務内容に関連した勉強(57.4%)」で、次に「英語、英会話(35.9%)」が続いた。

会社の業務に関連した内容はもちろんのこと、国際社会の中でスキルとして身に着けると有利な英会話のように、仕事に直接活かせるような学習を、通勤電車内のスキマ時間に行った経験のある人が多いことがわかる。

一方で、スキルアップにつながる可能性はあるものの、仕事には直接的に関係しない「趣味に関連した勉強(33.9%)」をあげるビジネスパーソンも「英語、英会話」についで多かった。

ほかに「自身の資産運用などに関連した勉強(28.7%)」「サイドビジネスに関連した勉強(20.6%)」といった回答も多く、本業に関連しないスキルアップを通勤電車内の学習で目指すビジネスパーソンも多い。

通勤電車内のスキマ時間を、ビジネスパーソンたちはさまざまなかたちで活用しているようだ。

時差Bizなど通勤環境の改善で勉強する時間を増やしたいと考えるビジネスパーソンは全体の約半数



東京都では働き方改革のひとつとして、通勤ラッシュを緩和する目的で通勤時間をずらす「時差Biz」を実施している。

また各路線では「座れる通勤電車」などが登場するなど、満員電車で通勤前にへとへとになってしまうビジネスパーソンたちの姿が減りつつある。

今回の調査では、こうした通勤環境の変化にあわせて、通勤電車の中で勉強する時間を増やしたいか聞いた。

その結果、「とても増やしたいと思う(16.9%)」、「どちらかというと増やしたいと思う(29.7%)」あわせて、46.6%のビジネスパーソンが「勉強する時間を増やしたい」と答えた。

通勤環境の改善は、ビジネスパーソンのスキマ時間の活用をさらに活発化させてくれそうだ。

通勤時間を学習のために活用する傾向は今後ますます強くなる

今回の調査結果でわかるように、通勤時間を自身のスキルアップなどのために活用したいと考えるビジネスパーソンは多いようだ。

なおかつ、20代・30代の若い世代の方がそう考える割合が多いことから、彼らが会社の中心に立つ近い未来には、その傾向がさらに強くなると想定される。くわえて、時差Bizなどで通勤電車の改善がすすむことで、通勤電車内で学習をしようと考える人は増えることだろう。

業務の効率化を目指す働き方改革でも、スキマ時間の活用は推奨されている。

実際に通勤時間のようなスキマ時間が学習のために有効に活用され、各自がスキルアップに成功すれば、確かに働き方改革を進める上でも有益といえるだろう。

img:PR TIMES