ウェザーニューズは、洋上風力発電市場向けの新規事業を立ち上げたと発表した。
近年、再生可能エネルギーの推進で洋上風力発電事業に参入する企業が増加し、海上の気象情報へのニーズが増えているという。
一方で同社は、これまで海運会社を中心に、工事機材を積んだ船舶の最適航路支援や、電力会社への発電量予測の提供などを通して、洋上風力発電事業を部分的にサポートしてきた。
今回、ニーズの高まりを受けて、同社は専門スタッフによる支援やより高度なサービス開発の必要性を確認し、洋上エネルギー気象チームを新設したとのことだ。
新部署では、事業性調査から工程計画策定、施工・物流、運用・保守点検まで、洋上風力発電事業に関する全ての業務を総合的に気象面で支援するという。
また、海上の風、波、海流を1〜2kmメッシュのピンポイントで予測するAIを活用した高解像度予測モデルの開発に取り組み、きめ細かいサービスを提供していくとしている。
洋上風力発電プロジェクトのフェーズに合わせた気象サービスで総合的に支援
洋上エネルギー気象チームでは、事業性調査から工程計画策定、施工・物流、運用・保守点検までプロジェクトのフェーズに合わせた気象サービスで総合的に支援するという。
事業性調査の段階では、過去数十年の風と波のデータを分析して事業性の高い発電設備の設置場所を選定。工程計画の策定段階では、蓄積した気象データベースから統計的に作業が可能な日数を算出し、月単位での工程計画策定・修正を支援するとしている。
また、実際に施工が始まると、現場のピンポイントな風や波の予報を提供し、気象リスクの高い時間帯を避けた安全な作業の実施をサポート。
発電設備の建設後は、高解像度予測モデルを用いた発電量予測や作業船の運航可否情報などを提供し、運用や保守点検を支援するとのことだ。
同社は現在、海上の風・波・海流を高解像度で予測するAI技術を用いた予測モデルの開発に取り組んでおり、この予測モデルは、従来のモデルよりも5倍から10倍の解像度で、洋上の局地的な風、波、海流の強弱を表現することができる。
同社はこの予測を活用し、洋上風力発電事業に特化したきめ細かいサービスを提供していくとしている。