清水建設100%子会社のシミズ・ビルライフケアは、ウィズコロナ・アフターコロナ時代のニューノーマルを見据えた働き方改革へのニーズに応えるべく、既存マンションの共用部を居住者専用のコワーキングスペースとして整備する事業を展開すると発表した。

コワーキングとは、「Co(共に)」と「working(働く)」という2つの言葉から成る造語で、勤務先等が異なる利用者が自分の仕事をしながら人的交流を図るなかで、スキルや経験を共有しあい、助け合うような働き方を意味するという。

このような働き方を実現するための執務空間がコワーキングスペースで、設えは間仕切りのないフリーアドレスの共用オフィスとなるとのことだ。

昨今、国内では、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、在宅勤務が推奨されている。

一方、在宅勤務では情報通信環境をはじめ出社時と同等の執務環境を確保するのが難しく、環境が整ったテレワークスペースに対する需要が高まっている。

また、大都市周辺に建設された多くの大規模マンションでは、共用部として設けたコミュニティースペースが居住者の生活形態の変化に伴い使われない空間になっており、その有効活用が課題になっているとのことだ。

そこでシミズ・ビルライフケアは、大規模マンションの共用部を居住者専用のコワーキングスペースに整備する事業を展開することにしたという。

提供するコワーキングスペースは、個としての仕事ができるオープンカウンター、複数人での仕事や休息に対応するブレイキングテーブル、会議ブース、オフィス什器、通信設備等から構成され、概ね60平方メートル以上のスペースがあれば整備可能であるとのこと。整備費用は約15万円/平方メートル程度。

第一弾として、清水建設が江東区で開発した1988年竣工の超高層マンションにおいて、計10席分、約120平方メートルのコワーキングスペースの整備工事を2022年度に着手予定。

これにより、居住者に時間と場所に捉われない柔軟な執務環境を提供するとともに、建物の付加価値の向上に寄与するとのことだ。

シミズ・ビルライフケアは今後、大規模マンションの改修工事の計画時に共用部のコワーキングスペース化を提案し、ニューノーマルに即した新しい働き方のための環境を提供していく考えであるとしている。