キリンビール、2020年11月に全国6県(愛知県・石川県・富山県・福井県・福岡県・宮崎県)でテスト展開した、3Lペットボトルで「キリン一番搾り生ビール(以下、一番搾り)」や「キリンサワー」を提供可能な2タップの新たなサーバー「TAPPY(タッピー)」を、4月20日から全国で展開すると発表した。

「TAPPY」は、ユーザーにおいしい「一番搾り」や「サワー」を提供し、飲食店や物流における社会課題を解決する新たなサーバー。

ネーミングの由来は、ビールサーバーの「TAP」を使いながら、外食産業に関わる全ての人が「HAPPY」になることを願い名付けられたという。

コロナ禍で外出自粛が続く中、人々の飲食店訪問頻度や滞在時間が減少し、ビール1樽あたりの消費期間が長期化することで、鮮度の良い「おいしいビール」の提供が難しいケースが発生しているという。

また、重量があるビール大樽の持ち運びやビールサーバーの洗浄作業は、労働力不足が問題となっている外食産業にとって一定の負担になっているとのことだ。

さらに、トラックドライバー不足など物流環境の社会的課題により、安定した商品輸送にも将来的なリスクがあるとしており、同社は、おいしい・かんたん・おトクな「TAPPY」を全国1万店以上に展開していくことで、こういった社会課題の解決に向けて取り組んでいくとしている。

■「TAPPY」の特長

1.おいしい「一番搾り」の提供による、満足度・ブランド価値の向上

小規模な3Lペットボトルを採用することで、大樽に比べて1本を使い切るまでの期間が短くなり、よりおいしい「一番搾り」の提供が可能に。

その結果、利用者の「満足度」や「飲食店への来店動機」も向上し、さらには「一番搾り」ブランドの価値向上にもつながるとしている。

2.「かんたん」な操作方法で、外食市場の労働力不足解決

「TAPPY」は従来の樽詰生ビールサーバーに比べて商品の取り付けやサーバー洗浄が簡易であることから、外食産業の課題でもある労働力不足の解決に貢献するという。

3.コスト削減で「おトク」

サーバー内のホースが短いため、サーバー洗浄時にロスするビールが減り、フードロスの削減につながるという。オペレーション負荷軽減による人件費削減と合わせると、削減コストは平均的な店舗で年間あたり約16万円を見込んでいるとのことだ。

4.物流負荷軽減

3Lペットボトルというワンウェイ容器を採用することで、ビールの空樽回収作業が不要になり、社会的に逼迫している物流負荷の低減に加えて物流費の抑制も実現できるという。

5.幅広いバラエティー

「一番搾り」だけでなく「キリンサワー」も提供でき、経年的に市場が拡大している「RTD(サワー・チューハイ)」需要の高まりにも対応。

昨年実施した6県でのテスト展開では、飲食店やユーザーから高い評価を得たという。

3Lペットボトルという小型容器を採用しているため、樽商品よりも早いサイクルでおいしい「一番搾り」が提供でき、TAPPY採用店舗でビールの売り上げが向上している事例も出てきている。

また、サーバーメンテナンスや商品の持ち運びが通常に比べて簡単であることも、飲食店からの高い評価につながっているとし、ワンウェイ容器であることから、樽回収の費用・手間もかからず、社会的に逼迫している物流負荷の低減に加えて物流費の抑制も実現。

同社は、「TAPPY」の展開によって、コロナ禍や労働力不足・物流問題などのこれからの日本社会全体が抱える社会問題解決に取り組むとともに、人々に外食ならではの“生ビールのおいしさ”という価値を提案することで、外食市場の魅力化やビール市場の活性化を目指すという。

キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献するとのことだ。