アサヒグループホールディングスは、プラスチックのバリューチェーンを構成する12社で、持続可能な社会の実現に向けて、プラスチック課題解決に貢献すべく、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社「株式会社アールプラスジャパン」を設立し、2020年6月から事業を開始したと発表した。

このプラスチックのバリューチェーンを構成する12社は、同社以外にサントリーMONOZUKURIエキスパート、東洋紡、レンゴー、東洋製罐グループホールディングス、J&T環境、大日本印刷、岩谷産業、凸版印刷、フジシール、北海製罐、吉野工業所。

今後、アールプラスジャパンは広く出資を募る予定であるとしており、現在、住友化学なども出資への検討を進めているとのことだ。

アサヒグループは、持続可能な社会への貢献を目指し「アサヒグループ環境ビジョン2050」を策定している。その中の4つのテーマの1つとして「持続可能な資源利用100%を目指す(農産物原料、容器包装、水)」を掲げており、プラスチック容器の軽量化などに取り組んでいる。

現在、ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼されていると言われている。

今回、米国のバイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社の「使用済みプラスチックの再資源化技術」の開発に参画することで、使用済みプラスチックのリサイクル、再資源化に貢献できると考えているとのことだ。

使用済みプラスチックの再資源化技術は、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレンなど)に戻すケミカルリサイクルの技術であり、従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理でき、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながるものと期待されているという。

また、この技術が確立できれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的に再生利用することができると見込まれているとのことだ。

今回設立されたアールプラスジャパンは、アネロテック社とともに、この環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進める。

また現在、世界で共通となっているプラスチック課題解決に貢献すべく、回収プラスチックの選別処理やモノマー・ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料メーカーなど業界を超えた連携により、2027年の実用化を目指していくとのことだ。