東京メトロ、メトロ車両、ホンダトレーディング、日本総合リサイクル、日軽金アクト、住江工業は共同で、半蔵門線8000系車両から18000系車両へのアルミニウム水平リサイクルを実現したと発表した。国内の地下鉄車両としては初めての取り組みであり、廃車車体を新造車両の内装部品へ循環利用することで、CO2排出量を約8トン削減できたという。

同取り組みは、2024年度に着手した「アルミニウム車体の水平リサイクルに関する共同研究」に基づくもので、廃車となった8000系車体を解体し、鉄・ステンレス・樹脂などを可能な限り除去したうえで、アルミ合金種別(5000番台・6000番台)ごとに精緻に選別した。選別したスクラップを溶解し、板材および押出形材として再生したうえで、18000系の背板や妻パネルの側面板などの内装部品に適用したとしている。リサイクル材は新地金と同等品質であることを確認したという。

東京メトロでは約2,700両以上のアルミニウム車体を保有しており、これまでも廃車車体のリサイクルを進めてきたが、水平方向のリサイクルには高い選別精度が求められ、鋳造材などへのカスケードリサイクルに留まっていた。今回、各社の連携により水平リサイクルが可能となり、鉄道車両の素材循環の高度化につながったとのことだ。
今後は適用範囲を拡大し、より高度な品質管理が求められる車体構体への水平リサイクル実現に向け、共同研究を継続する方針。新造車両製造時のCO2サプライチェーン排出量削減にもつながるとし、鉄道業界における循環型社会の実現に寄与するとしている。
