Hacobuは、イオン九州など小売企業6社と共同で、福岡・佐賀エリアにおける共同輸配送の実証実験「物流DXツールを活用したN対Nの相互配車事業」を開始したと発表した。

物流業界では、ドライバーの高齢化や「2024年問題」による労働力不足、環境負荷の増加などの課題が深刻化している。野村総合研究所の調査によると、2030年度には福岡県で36%、佐賀県で40%のドライバーが不足する見込みとされており、持続可能な物流体制の構築が急務となっている。
同実証では、同社が提供するクラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」シリーズのデータを活用し、最大約200万通りに及ぶ輸配送ルート候補を解析。
福岡・佐賀に拠点を持つ小売企業6社のデータを基に、500社超の調達先、11カ所の小売物流センター、385店舗以上を対象に実施。同社の「MOVO Berth」「MOVO Fleet」「MOVO X-Data」などのツール群を活用し、拠点間の輸配送を最適化するルートをデジタルで抽出・検討するという。
これにより、深刻化するドライバー不足や環境負荷といった物流の課題に対応し、持続可能な共同輸配送モデルの確立に取り組むとしている。

同取り組みは、地方発の共同輸配送モデルを全国に展開することを視野に入れたもので、2026年に長崎県、2027年には大分県への展開も計画しているとのことだ。
■実証概要
参加企業:
・小売企業
イオン九州、イズミ、コスモス薬品、サンリブ
・物流事業者
イオングローバルSCM、MLS
・分析支援
Hacobu
想定されるユースケース:
①メーカー同士の共同納品
複数メーカーの荷物を1台の車両に混載して、共同で物流センターへ納品
②小売によるミルクラン集荷
小売の車両で複数メーカーから商品を集荷
③複数小売間の「共同輸配送」(店舗配送利用)
小売A店舗へ納品した後、小売Bセンターで荷物を積み小売B店舗へ納品
④メーカーと小売の「共同輸配送」(店舗配送利用)
物流センター納品車両を、そのまま店舗への納品車両として利用
⑤店配車両の帰り便利用(バックホール)
小売B店舗へ納品した車両の帰り便を利用し、近隣のメーカーCの荷物を集荷

