日常生活のなかで、会話やテレビの音声が聴き取りづらいと感じることはないだろうか。
近年、音楽を楽しむだけではなく、オンライン会議の普及によりイヤホンの常用が当たり前の光景となっている。さらに、日々のストレスや疲労が耳に負担をかけており、聴こえづらさを感じている人が増えているという。

こうしたなか、オーディオメーカーのオーディオテクニカが、ヒアリングサポートに特化した新ブランド『audio-technica MIMIO(オーディオテクニカミミオ)』を立ち上げた。ヒアリングアシストイヤホン『MIMIO ASSIST ONE(ミミオ アシスト ワン)』と、お手元テレビ用スピーカー『MIMIO SOUND MOVE(ミミオ サウンド ムーブ)』の2製品がこの夏に発売される。

『audio-technica MIMIO』の記者発表会に参加し、性能やブランドに込められた思いを取材した。

2050年には4人に1人が難聴になると予測

WHOが2021年に発表した『世界聴覚白書』によると、12〜35歳の若者10億人以上が難聴リスクを抱えており、2050年には世界人口の約4人に1人が難聴になると予測。その原因として、イヤホンの長時間使用、大音量での音楽鑑賞、都市の騒音や日々のストレス・疲労などが挙げられている。

こうした新たな社会課題ともいえる“聴こえ”の個人差に着目し、耳【みみ】に優しく音【おと】を届けるという意味を込めて誕生したのが『audio-technica MIMIO』だ。

一人ひとりの“聴こえ”に寄り添う『MIMIO ASSIST ONE』

『audio-technica MIMIO』ブランドの第1弾製品となる『MIMIO ASSIST ONE』は、会話やテレビの音声に聴き取りづらさを感じている人に最適な、ヒアリングアシスト機能を備えたイヤホンだ。会話・テレビ・屋外など、シーンに応じたヒアリングモードを搭載し、さまざまな状況での“聴こえ”をアシストする。

『MIMIO ASSIST ONE』8月1日発売
オープン価格(公式オンラインストア:税込49,500円)

■集音性能で聴きたい音をクリアにキャッチ

高性能MEMSマイクによるビームフォーミング機能を搭載。周囲の雑音が多い場所でも聴きたい方向の音をクリアに拾う。実際に、周囲の雑音が多い記者発表の場で試用してみたところ、会話する相手の声が明瞭に聴こえ、装着していないときとの違いがはっきりと感じられた。

■パーソナライズ機能で“聴こえ”を最適化

専用アプリにて事前に簡易聴力測定を行うことで、聴こえ方のパーソナライズが可能。最大7つのモードを設定でき、よく使う4つのモードは本体からも切り替えられるなど操作性にも優れている。

■高いサウンドクオリティ

10mmの大口径ダイナミックドライバーを採用し、低域から高域までバランスよく再現。パワフルでクリアな音質が楽しめる。

専用アプリと連携し、“聴こえ”を最適化

さらに、ハイブリッドデジタルノイズキャンセリング機能や防水・防じん性能(IP55)を兼ね備え、日常使いのワイヤレスイヤホンとしても最適だ。ケースを併用すれば最大約40時間(イヤホン単体では10時間)連続使用できるという。カラーはビジネスシーンにも合うブラックと、性別・年齢問わずに使いやすいベージュの2色展開となっている。

お手元テレビ用スピーカー『MIMIO SOUND MOVE』

テレビの音量を上げると家族に迷惑がかかる……。そんな悩みを抱えている人におすすめなのが『MIMIO SOUND MOVE』だ。自分の“手元”で音量を調整できることで、快適なテレビ視聴を可能にする。

『MIMIO SOUND MOVE』8月8日発売
オープン価格(公式オンラインストア:税込21,780円)

■声が明瞭に聴こえる新「はっきり」機能

ニュースやドラマのセリフなど、人の声が明瞭に聴こえるよう音声アルゴリズムを新設計。よりクリアな音質を楽しめる。

■臨場感あるステレオサウンド

改良された独自のスピーカードライバーにより、広がりのある立体的なステレオサウンドを実現。映画やスポーツなど、より音を楽しみたいシーンで臨場感を味わえる。

■ワイヤレス接続&防水対応

2.4GHz帯の無線通信により、低遅延で安定した接続が可能。また、IPX2(防水規格)を採用しておりキッチンやダイニングなどの水回りでも安心して使える。

持ち運びしやすいハンドル付き

直感的に操作できるシンプル設計に加え、電池残量や接続状況を知らせてくれる音声ガイダンス機能も搭載。カラーはブラックとホワイトの2色展開で、どんな空間にも自然に溶け込むシンプルなデザインだ。

聴こえる幸せを多くの人へ。ヒアリングサポート市場に注力

ヒアリングアシストイヤホン『MIMIO ASSIST ONE』は、レンタルやサブスク展開も予定されているという。株式会社オーディオテクニカ専務取締役マーケティング本部ゼネラルマネージャーの成原公太郎氏は、今後の展開について次のように語った。

「全国の家電量販店やECサイト、公式オンラインストアでの販売に並行して、体験型イベントやポップアップストアも展開し、タッチポイントを全国各地に広げてまいります。また、企業や自治体と連携し社会実装にも取り組んでまいります」

専務取締役マーケティング本部ゼネラルマネージャー 成原公太郎氏

また、代表取締役社長の松下和雄氏は次のように新ブランドへの思いを語った。

「当社は60年以上にわたり、社会や価値観の変化に合わせて多様な音体験を追求してまいりました。音や音楽がもたらす幸福を、みなさまに味わっていただきたい。耳に負担の多い時代ではありますが、聴こえる喜びがある人生を送ってほしいという思いから『audio-technica MIMIO』を立ち上げました。人生を豊かにする、愛されるブランドになれるよう成長を続けてまいります」

オーディオテクニカ代表取締役社長 松下和雄氏

オーディオテクニカは「音を通して心豊かな人生を」をビジョンに掲げている。今後は、製品ラインナップの拡充やグローバル展開を視野に入れながら、新たな社会課題といえる、一人ひとりの“聴こえ”に優しく寄り添っていきたいとしている。

取材・文:安海 まりこ