竹中工務店は、建設現場から排出されるCO2の削減に向け、東京都内の工事現場において次世代バイオディーゼル燃料の使用を開始した。燃料は竹中グループの朝日興産が供給するもので、今後全国の建設現場へ順次展開するという。

次世代バイオディーゼル燃料は、植物油や廃食用油などの再生可能資源から製造される持続可能な代替燃料。中でもリニューアブル・ディーゼル(Renewable Diesel)は、HVO(Hydrotreated Vegetable Oil:水素化処理植物油)に分類され、CO2排出量を大幅に削減できる環境配慮型の燃料とされる。建設重機のエンジン改造を必要としない点も特長だという。
竹中工務店は、2023年4月より大阪・関西万博関連工事などで同燃料の実証実験を実施してきた。対象となったのは、クローラクレーン、ラフテレーンクレーン、トラック、フォークリフト、発電機、杭打機など多岐にわたる建設重機。実証の結果、エンジンや周辺機器、操作性に影響が見られなかったことから、朝日興産の供給体制のもと本格導入に至ったとしている。
竹中工務店は「環境戦略2050」に基づき、2050年のカーボンニュートラル実現を目指している。同社によると、工事におけるCO2排出のうち、スコープ1(燃料の使用などによる直接排出)が約75%、スコープ2(電力や熱の使用による間接排出)が約25%を占めるという。2030年までにスコープ1での排出量を2019年比で32%削減する目標が掲げられており、今回の燃料導入により、そのうち約20%分の削減が見込まれているとのことだ。