INDEX
医療法人社団マイクロ会は、全国の15〜19歳の男子学生を対象に男性不妊につながる「中・高・大学生性器の違和感に関する意識調査」を実施し、結果を公表した。

■男性不妊の疑い、症状を感じ始めた時期1位は「中学生」
アンケート調査の結果、15〜19歳の男子学生300名中105名(35.0%)が「性器に違和感を感じたことがある」と回答し、そのうち約半数に当たる49名(46.7%)が不妊の原因である精索静脈瘤や陰茎湾曲症の疑いがある症状を選択していたという。

2つの症状において 違和感を感じた時期として最も多かったのは「中学生」の時期で、約6割にのぼった。なお、同調査では、以下の項目を選んだ学生を「精索静脈瘤の疑い」があると定義。
・陰嚢(いんのう)の大きさに左右差がある
・精巣(せいそう)の大きさに左右差がある
・片方がいつも垂れ下がっている
・表面がデコボコしている
・血管がミミズのように浮き出ている
これらは男性不妊の原因である精索静脈瘤の症状と言われているものとなっている。

■違和感の多くは中学生時に発症。しかし約59%が相談できず
精索静脈瘤が疑われる症状を選んだ29名のうち、17名(58.6%)が「中学生以降に違和感を感じた」と回答。これは思春期の身体の変化とともに発症を自覚するケースが多いことを示唆しているという。

しかし、性器に違和感を覚えても、相談経験のある者はわずか数名にとどまり、17名(58.6%)は「誰にも相談したことがない」と回答。

さらに、病気とわかっても「匿名で相談できるサービスを探す」「様子を見る」といった慎重な対応が目立ち、医療機関への受診に至らないケースが大半であることが判明。

精索静脈瘤は、精巣の周囲の静脈が異常に拡張・蛇行することで、精子の質が下がる男性不妊につながる代表的な病気。
男性不妊の原因の約4割(※2017年のWHO調査によるもの)が精索静脈瘤と言われているが、自覚症状が少ないため見逃されやすいのが特徴だという。
精索静脈瘤は陰嚢(いんのう)の見た目の左右差や垂れ下がり、血管の浮きといった違和感がサインに。放置すると精子の運動率や濃度が下がり、将来的に体外受精や顕微授精が必要となるケースもあるが、手術により改善が期待でき再発もほとんどない完治可能な病気とのことだ。
■勃起時に陰茎が大きく曲がる。陰茎湾曲症も「誰にも相談していない」
さらに、精索静脈瘤に並んで男性不妊の原因である陰茎湾曲症(いんけいわんきょくしょう)が疑われる男子学生20名のうち、全員が「誰にも相談していない」と答えていることがわかった。

陰茎湾曲症は勃起時の症状であり、性交経験がない若年層では「問題」として捉えられにくい特性があるため、痛みや性交困難といった直接的な障害が生じるまで放置されやすく、深刻化してから初めて医療を受診する例も少なくないという。
また、約40%が「病気と分かっても何もせず放っておく」と回答しており、病識の乏しさに加え、「性器の形」そのものへの羞恥やコンプレックスが、相談の壁を高くしていると同社は推察している。

【調査概要】
調査内容:中・高・大学生性器の違和感に関する意識調査
実施日:2025年6月30日から7月1日
対象:15歳~19歳(学生)
エリア:全国
性別:男性のみ
方法:インターネット調査(クロスマーケティング社のQiqumoを使用)
<参考>
医療法人社団マイクロ会『中・高・大学生性器の違和感に関する意識調査』