サーモスは、人と人との心の温度差に着目したプロジェクト「ココロの温度差ラボ」を開始し、その第一弾として「上司と部下の心の温度差」に関する調査を実施し、結果を公表した。

サーモス、「ココロの温度差ラボ」を開始

この調査は、上司と部下の本音でのコミュニケーション状況を把握することを目的に行われたものである。調査の結果、上司の33.3%、部下の49.0%が「本音で話せていない」と回答したという。上司では3人に1人、部下では約半数が本音でのコミュニケーションに課題を抱えている実態が明らかになった。

上司/部下と本音で話せていると感じるか

本音を言えない理由については、上司の上位3つは「踏み込みすぎると不快に思われる可能性があるから」(42.0%)、「ハラスメントと言われるのが怖いから」(42.0%)、「部下が何を考えているか分からないから」(39.0%)となった。一方で部下の理由は「話が通じず無駄だと思うから」(42.9%)、「遠慮してしまうから」(33.3%)、「報復や評価への影響が怖いから」(23.8%)であった。

上司/部下に対して、本音を言いにくい理由

また、本音で話せている人は、そうでない人に比べて仕事への向き合い方にも差が見られた。部下の場合、「仕事を通じて成長している実感がある」と答えた割合は、本音を言えている人の方が26.7ポイント高かった。上司でも同様に、部下に本音を言えている人は、そうでない人より35.0ポイントも成長実感が高いと回答している。

自身の考え方や行動について

さらに、「会社のために貢献したいと思うか」「新しい仕事に挑戦したいと思うか」「自分を優秀だと思うか」「自分の希望に沿った業務に従事しているか」という項目でも、本音を言えている人の方が10~30ポイント高い結果となり、本音でのコミュニケーションが仕事のモチベーションに好影響を与えていることが明らかになった。

一方で、1on1についての質問では「1on1で本音で話せると思うか」という設問に対して、上司の34.7%、部下の50.3%が「あまり思わない」「全く思わない」と回答している。特に、ふだんから本音を言えていない人に限ると、上司の71.0%、部下の83.7%が「1on1でも本音を言えていない」と答えたという。

1on1であれば上司/部下と本音で話せると思うか

それでも、「上司あるいは部下と心地いい距離感を作るための努力をするべきか」という問いには、上司の78.6%、部下の62.7%が「そう思う」「やや思う」と回答しており、互いの関係性を良くする努力の必要性を多くの人が感じていることがわかった。

上司あるいは部下と心地いい距離感を作るための努力をするべきか

なお、サーモスは同プロジェクトのスタートに伴い、心の温度差に関する情報や「使えるひとこと」を発信する公式Xアカウントを開設したという。

サーモスは、今後も「ココロの温度差ラボ」プロジェクトを通じて、職場や日常における心地よいコミュニケーションのあり方を探る活動を続けていくとしている。

<参考>
サーモス『上司と部下の心の温度差に関する調査