イプソスは、日本を含む世界30カ国23,216人を対象にAIに関する意識調査を実施し、結果を公表した。

今回の調査で、AIについてよく理解していると答えた日本人は41%と、調査対象国の中で最下位であった。29位のイタリアとは9ポイントの差をつけ、30カ国平均と比較しても26ポイント低い結果となり、日本社会におけるAIの浸透度の低さが明らかになった。

人工知能とは何かをよく理解しているか

「今後5年間で、AIが、自身の現在の仕事を代わりに行うようになる可能性はどの程度あると思うか」という質問に対して、「可能性がある」と答えた日本人は29%(可能性は非常に高い5%、可能性は多少ある24%)と、仕事におけるAI活用を考えている人は、2024年の35%から6ポイント下回る結果となった。

今後5年間で、AIが、自身の現在の仕事を代わりに行うようになる可能性はどの程度あると思うか

「今後3〜5年で、人工知能の使用が増えることによって、自分の仕事はどのように変化すると思うか」という質問に対して「良くなる」と答えた日本人は20%で、30カ国中29位と、世界の中でも期待感の低さが際立つ結果となったとされている。

今後3〜5年で、人工知能の使用が増えることによって、自分の仕事はどのように変化すると思うか

イプソスの代表取締役社長である内田俊一は、同調査では、日本は他国と比べてAIの社会浸透が進んでおらず、AIがもたらすベネフィットへの期待も低いという結果が出ていると述べている。日本人特有の完全主義的な思考から、「まだ期待値に達していない」と感じ、新しい技術への初動が遅れがちになる傾向が、これまでも見られたのではないかとの見解を示している。実際、英語を主とするAIでは、日本語対応の精度が一歩遅れる傾向もあるという。世界の人々がAIを業務に活用し始めている今、日本も大きく後れを取ることなく、着実にキャッチアップしていくことが望まれると述べている。

<参考>
イプソス『AIに関する意識調査