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Rodinaは、メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)による休職後に復職した全国のビジネスパーソン103名を対象に、「メンタルヘルス不調からの復職後の心境と支援実態」に関する調査を実施し、結果を公表した。
■「自分にもまだできることがある」 回復の実感が「力」に
はじめに、復職後に「よかった」と感じた瞬間(複数回答)を尋ねたところ、「自分のペースで仕事ができたとき」、「自分にもまだできることがあると実感したとき」、「体調が安定し、前向きに業務に取り組めたとき」などが上位に挙がった。
評価や成果よりも、自己肯定感や「働く感覚の回復」が大きなモチベーションになっていることがうかがえる。

■支えになったのは、「専門家の支援」と「人とのつながり」
復職後の支えとなったものとして最も多く挙げられたのは「医療機関・カウンセラーのサポート」、次いで「家族や友人からの支え」、「上司・同僚の理解や声かけ」と、専門的支援と身近な人間関係の両軸が鍵となっている実態が明らかになった。
また、「社内の復職支援制度」や「外部のリワークプログラム」の活用も一定数みられ、復職の支援は多層的であることの必要性も浮き彫りになっている。

■職場支援、「助かった」と感じたのは「業務量の調整」や「心理的安全性」
職場からの支援に対して「助かった」と感じた内容では、「業務量の調整」、「勤務時間の柔軟な対応」、「心理的安全性のある職場環境」が上位に。
これらは「もっと充実してほしかった」支援項目としても高く挙げられており、重要な支援ほど「持続性」や「質」が問われていることがうかがえる。

■職場支援の満足度と改善点
復職経験者が「助かった」と感じた支援として最も多かったのは「業務量の調整」や「勤務時間の柔軟な対応」という結果になったが、一方で、「もっと充実していてほしかった」との声が多かったのは「心理的安全性のある職場環境」や「段階的な復職制度」などが挙がった。
実際に支援を受けた人の声からは、制度の有無だけでなく、運用の質や職場の理解の深さが復職支援の満足度を左右している実態が明らかになっている。

■復職後の気持ちの変化
復職後の仕事に対する心境については、約6割が「ポジティブな変化があった」と回答。自己肯定感の回復や前向きな気持ちの芽生えなど、復職を通じて仕事への向き合い方に良い変化を感じている人が多いことがうかがえる。
また、復職前に感じていた不安については、「ほとんど解消された」、「一部は残ったが、概ね解消された」を合わせて、全体の約7割が復職後に不安が軽減されたと回答した。
一方で、「不安は続いている」と答えた人も26.2%にのぼり、引き続き支援の必要性がうかがえる。

【右】復職前の「不安」は復職後どう変わったか
■復職経験者の実際の声
自由回答では、多くの復職経験者から温かい職場や家族の支えに関するエピソードが寄せられた。以下、一部抜粋して紹介する。
・「自分自身が苦しんだ分他の人に優しくしようと思えた。常に相手の気持ちになって、考えてから発言や行動するように心掛けている」
・「自分自身に自信が持てるようになり、相手の言動に一喜一憂することがだんだん少なくなるようになりました」
・「会社からの信頼を感じられたのが嬉しかった」
・「いままでよりも周りの人間の気遣いや、調子などについて気がつくようになった。また、いくらか気が楽になった」
・「生活リズムが安定してきたお陰で食事が美味しく感じたり、睡眠のクオリティが上がっているために日々のモチベーションが保つことができるようになった」
【調査概要】
調査名:復職後の心境に関する調査
実施時期:2025年6月
調査手法:インターネット調査
調査対象:メンタルヘルス不調(うつ病、適応障害など)による休職後、復職を経験した全国のビジネスパーソン
回答数:103名
<参考>
Rodina『復職後の心境に関する調査』