エイチ・アイ・エス(以下、HIS)は、夏休み期間(7月19日~8月31日)の予約状況から、旅行動向について調査を実施し、結果を公表した。

夏休み期間(7月19日~8月31日)の旅行動向を調査

■海外旅行

HISによると、海外旅行における予約者数は前年比108.2%と好調に推移しているという。商品区分の構成比としては、「航空券」が59.0%(前年比-1.7ポイント)、「ツアー」が41.0%(前年比+1.7ポイント)。

今年の予約時期は、「2025年5月」が全体の32.7%(前年同月比+0.9ポイント)と最も多く、続く「2025年6月」が30.1%(前年同月比-1.7ポイント)で、予約のタイミングが前年より早まった傾向がみられるという。

平均単価は前年比107.0%の204,300円と値上がり。「ヨーロッパ方面」が前年比117.4%、「中近東方面」が前年比136.2%と長距離路線で高価格帯の予約者数が増加したことが要因と同社は考察している。

出発日としては、前年同様、お盆期間前の週末の人気が高く、「8月9日・10日」が夏の出国ピークに。顧客層別の構成比でみると、「子様連れ」が44.9%、「カップル・夫婦」が19.5%と、家族旅行の割合が高くなっているとのことだ。

海外旅行 出発日ランキング

旅行先としては、前年と変わらず、「ソウル」、「台北」、「ホノルル」の順となり、根強い人気が伺える。なかでも、「ホノルル」は前年比120.3%と大幅に増加しているという。

予約時期の為替レートが前年は1ドル156~157円であったのに対し現在は144円程に落ち着いたことや、成田路線でANAの大型機材「FLYING HONU」がダブルデイリー運航になったこと、成田・関西・名古屋(中部)路線でJALが増便したことなどが影響したと同社は考察。

また、6位には順位を3ランク上昇した「グアム」が入っている。

海外旅行 予約者数ランキング

予約者数の前年からの伸び率が高い急上昇ランキングとしては、2024年11月末にビザが免除された中国の「上海」が前年比249.2%と大きく伸びた。

2位には前年にオリンピック・パラリンピックが開催されていたことから反動増となった「パリ」が入りました。4位にはエジプトの玄関口である「カイロ」がランクイン。

グランドオープンが待たれる大エジプト博物館や日本国内でエジプト文明の展示会が複数開催されていることから、エジプトの露出増加の効果もみられる。また、5位の「バルセロナ」では、2026年の完成予定を前に未完のサグラダ・ファミリアを見ることができると注目度が高まっている様子が伺える。

海外旅行 急上昇ランキング

■国内旅行

国内旅行における予約者数は前年比107.6%と好調に推移。予約時期は「2025年5月」が全体の38.5%(前年同月比-1.8ポイント)と最も多く、続く「2025年6月」が32.6%(前年同月比-3.0ポイント)となったという。

コロナ前の2019年は、「2019年6月」が全体の44.2%と最も多く、続く「2019年5月」が32.6%。コロナ禍を経て、インバウンドの地方への需要も高まるなか、国内旅行も海外旅行同様、旅行予約の時期が早まる傾向になっていることがわかる結果に。

平均単価は前年比104.1%の95,000円と値上がり。国内航空券の価格が上昇していることも起因し、予約者数が多い1位の「沖縄県」の平均単価が前年比105.0%の107,800円となっており、全体を押し上げた傾向がみられるとのことだ。

出発日としては、「7月27日」が最も人気に。海外旅行の動向とは違い、お盆期間を外した日程が人気で、曜日としては「土曜日」「日曜日」「月曜日」出発の需要が高くみられている。

国内旅行 出発日ランキング

旅行先の1位には前年比110.7%と好調の「沖縄県」がランクイン。7月末に沖縄初の大型テーマパークが開業することもあり、関心が集まっているという。

また、4位の「大阪府」は現在開催中の大阪・関西万博の影響もあり、予約者数が前年比192.9%と大幅に伸長。

10位には出雲大社、玉造温泉を目的とする方が多い「島根県」が入り、根県の平均価格は前年比93.7%の51,900円と、他の地域と比較し割安な価格で旅行できることも影響していると同社は考察している。

国内旅行 予約者数ランキング

<参考>
HIS『夏休み期間(7月19日~8月31日)の旅行動向