弁護士法人mamoriは、日本全国在住の20〜50代の男女550名を対象に「”長期休暇後の仕事のモチベーション”に関する意識調査」を実施し、結果を公表した。

■長期休暇中、約3人に1人が自身のキャリアや働き方を見直した経験あり

長期休暇中に今後のキャリアについて見直したとする回答は全体の約3分の1に上り、多くの人が休暇中に自己のキャリアと向き合っていることがうかがえた。

一方で見直しをしなかった人は全体の4割以上を占め、多くの人にとって休暇は純粋なリフレッシュの期間であり、仕事から完全に離れることで心身の回復を図る貴重な時間になっていることを示唆している。

この結果に同社は、長期休暇は「仕事から離れる期間」と「自己の働き方を見つめ直す機会」という二つの重要な役割を持つことが確認できたとしている。

長期休暇中に今後のキャリアについて見直した経験はあるか

■休み明けの出勤に対して約8割が何らかの抵抗感を抱いている

休み明けの出勤に何らかの抵抗感を抱いた経験がある人は、全体の約8割という結果に。特に「何度も感じたことがある」と回答した層が4割近くに達していることは、この問題が一時的なものではなく、構造的・継続的な課題であることを示唆していると同社は考察。

全くないと回答した人は2割に満たず、大多数の労働者が休暇後の現実への復帰に心理的ハードルを感じていることがわかる結果に。

休み明けの出勤に何らかの抵抗感を抱いた経験の有無

■長期休暇は心身の回復を通じて職場の違和感や不満を鮮明に自覚させる契機

長期休暇明けに、「会社に行きたくない」と感じる理由として、最も多かった回答は「休暇中に心がリセットされすぎた」という理由で、次いで「上司・同僚との関係がストレス」、「長時間労働や残業がつらい」という回答が続いた。

特に休暇中に心がリセットされすぎたと感じる人が多いことは、休暇によって本来の心身の健康状態が回復し、普段は適応していた職場環境との乖離が明確に認識されることを示唆。

休暇は疲労回復にとどまらず、不健全な労働環境や働き方への感受性を高める効果があると同社は考察。また、職場環境への不満が休暇中に客観的に認識され、より鮮明に意識される傾向が見られるとのことだ。

長期休暇明けに、「会社に行きたくない」と感じる理由

■長期休暇は約4割の人に退職を考えさせる転機となっている

全体の4割超の回答者が長期休暇中に退職を考えた経験があることが明らかに。この結果は、約5人に2人以上が退職を考えたことがある高い割合であることを示している。

特に「何度もある」と答えた層は、職場環境やキャリアに対する不満が継続的であり、長期休暇を経てその思いが強化されている可能性が高い。この層にとって、退職の意思はあっても実行に移せない「退職の壁」が存在する可能性があると同社は考察している。

長期休暇中に退職を考えた経験があるか

■長期休暇は心身の正常化と内省を促し、見過ごしていた職場ストレスや違和感を明確にし、退職決断の引き金となっている

長期休暇後に「退職を決めた」または「強く意識するようになった」理由として、最も多かった回答は「仕事に戻ることを考えると強いストレスや不安を感じた」で、次いで「心身の疲れを客観的に認識し、これ以上続けるのは難しいと感じた」が続いた。

これらの結果から、長期休暇が心身を「正常化」させ、通常の職場環境で感じていたストレスや負担を明確に認識できる効果があると同社は考察。

また、休暇中に漠然と抱えていた退職の意思が明確な決断に変わったり、職場環境や人間関係への不満が浮き彫りになったりすることもあり、休暇が自己内省を促進し、働き方を見直すきっかけとなることがわかるとしている。

長期休暇後に「退職を決めた」または「強く意識するようになった」理由

<参考>
弁護士法人mamori『”長期休暇後の仕事のモチベーション”に関する意識調査