一般社団法人国際ドローン協会は、千葉県東庄町と共同で、災害発生時の物資輸送を想定したドローンの実証実験を2025年2月に2日間実施したと発表した。

同実験は、災害時における迅速かつ安全な物資輸送の可能性を探ることを目的としたもので、地域の災害対策とドローン技術の社会実装に向けた重要なステップとなるとしている。
東庄町役場や各避難所には緊急物資を備蓄しているが、道路が寸断されてしまうと陸送では緊急物資の輸送が出来ない可能性があるという。
今回の実験はそのような緊急事態に備え、電力供給の要となる発電機と燃料(ガソリン)を安全かつ迅速に届けるための検証とのことだ。
■実験内容の詳細
同実験では、発電機とガソリンを東庄町役場から町内の病院までドローンで輸送。輸送したガソリンで一台の発電機を約20時間稼働することが可能となり、これにより約4,800台のスマートフォンを充電できる電力が供給可能となる。
飛行ルート(1):東庄町役場から東庄病院(約3.6km)
飛行ルート(2):東庄町役場から社会福祉法人さざんか会 北総育成園(約2.8km)
・輸送物資:発電機およびガソリン(総重量30kg)
・使用機体:DJI Flycart30
・体制:一等無人航空機操縦士2名(目視内限定解除、最大離陸重量25kg未満の限定解除も取得)
同実験でドローンは町内を走る線路上空を安全に横断し、約5分で目的地に到達。飛行高度の維持とルート最適化により、安全性を確保するなどの結果となったという。
東庄町では、買い物が困難な人への日常的な配送にもドローン技術を活用する計画が進行されており、同協会は、引き続き災害時の物資輸送や地域課題の解決に向けたドローン技術の可能性を追求し、安全かつ効率的な物流ソリューションの開発・提供を進めていくとのことだ。