ライオン、画像認識AIでニキビの原因菌を可視化する新技術を開発

ライオンは、東京電機大学との共同研究により、画像認識AIを活用してニキビの原因菌「アクネ菌」を可視化する新技術を開発したと発表した。

同技術は、自然光のもとで一般的なカメラを用いて撮影した顔の画像に、自動運転技術にも活用される画像認識AIを適用することで、アクネ菌の可視化を可能にしたもの。同研究成果は、2024年12月発行の「日本顔学会誌」に掲載された。

ニキビは皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖による炎症が主な原因とされる。現在、一部の医療機関やエステサロンでは、紫外光を用いた特殊装置によりアクネ菌を可視化しているが、設備の制約や紫外光照射に対する心理的抵抗が課題となっていたという。

ライオンと東京電機大学は、これらの課題を解決するため、自然光でアクネ菌を可視化する技術の開発に取り組んだ。研究では、画像認識AIを用いて顔画像からアクネ菌の存在箇所を判定するAIモデルを作成し、自然光で撮影した顔画像と紫外光で発光させた顔画像を学習させたという。

その結果、紫外光で撮影した画像と生成された画像の間に相関性が確認され、自然光のみでアクネ菌を可視化できる技術の有効性が示されたとのことだ。

ライオンは、今後この技術をスマートフォンカメラにも対応させ、日常的に肌の状態をチェックできるシステムの開発を目指すという。また、肌の状態と睡眠・食事・運動などの生活習慣データを関連付け、個々に最適なアドバイスを提供するサービスの構築も進めるとのことだ。

さらに、2024年9月からiPhone向け調査用アプリ「大人のニキビ予防習慣研究所」を通じて、ニキビ発症と生活習慣の関連性に関する研究を実施しており、今回のAI技術と組み合わせることで、より効果的なニキビ予防ケアの提供を目指しているとしている。