パーソル総合研究所は、「はたらく人の休憩に関する定量調査」を実施し、結果を公表した。

■実態

1.職場で定められた休憩時間のうち、「46分~60分程度(56.3%)」が最も多く、次いで「61分以上(22.4%)」が続く。また、職場で定められた休憩以外を小休憩として聴取したところ、小休憩をしている人は53.9%となった。

休憩時間の取得状況・小休憩時間の取得状況

2.誰と休憩しているかについて、誰かと一緒に休憩を取っている人は37.3%(同僚・上司・社外の人・家族)となった一方で、ひとりで休憩している人は62.7%という結果に。

誰と休憩しているか

3.月曜日に45分以上の休憩をとれている割合が最も高く(78.5%)、金曜日に進むにつれて45分未満の短い休憩の割合が増加傾向。

平日の休憩時間の状況

また、休憩後に業務へ集中して取り組めている割合が最も高いのは「月曜日(計44.7%)」であり、金曜日には3.2pts低下している。

休憩後に業務へ集中して取り組めているか

■休憩の実感と業務への影響

4.休憩で休めていない実感の人は18.7%であった。職位別にみると、中間管理職(22.0%)、一般社員(20.6%)、経営層(14.6%)の順。

休憩で休めていない実感

5.休憩で休めている実感のある人は、「取得する際に、上司や同僚は快く承認してくれる(65.0%)」、「直属の上司や同僚が積極的に休憩を取得している(49.9%)」といった職場のピア効果が見られた。

ピア効果とは、同じ職場環境にいる人々の行動や態度が、自身の生産性、行動、さらには仕事への取り組み方や満足度に影響を与える現象を指す。

職場や周囲の理解と休めている実感

6.休憩時間が長いほど、休憩後は「業務に集中して取り組める」が高かった。また、休憩で休めている実感のある人ほど、休憩後は「業務に対して集中して取り組める」が高くなっている。

休憩時間と業務への集中・休めている実感と業務への集中

7.出勤しているにもかかわらず、心身の健康上の問題があり、生産性が下がる状態のことを指す「プレゼンティズム」。

休憩時間とプレゼンティズムの発生割合を確認したところ、休憩していない人ではプレゼンティズムの発生割合が最大15.0pts高くなった。

また、休めていない実感の人は、休めている実感がある人と比較して、プレゼンティズムの発生割合が最大16.3pts高くなっている。

休憩時間とプレゼンティズムの発生割合・休めていない実感プレゼンティズムの発生割合

■休憩の過ごし方と効果

8.休憩の過ごし方の特徴について、階層的クラスター分析(データを類似性に基づいて階層構造で分析して、グループを作る分析手法)を用いて分類した結果、不本意タイプ、自己投資タイプ、エンタメ没頭タイプ、交流タイプ、仮眠タイプ、ひとり時間タイプの6つに分類された。

休憩の過ごし方の特徴分類

9.休めている実感の割合が高かったのは、「自己投資タイプ(計55.0%)」、「エンタメ没頭タイプ(計49.0%)」、「交流タイプ(計48.7%)」の順に。

一方で、休めていない実感の割合が高かったのは「不本意タイプ(計28.9%)」となった。

タイプ別休めている実感の割合

10.休憩後の肉体的な疲労感を感じない割合は「自己投資タイプ(計48.9%)」、次いで「交流タイプ(計41.5%)」が高い。

また、休憩後の精神的疲労感を感じない割合は「自己投資タイプ(計44.2%)」、次いで「交流タイプ(計38.6%)」が高かった。

休憩後の肉体的な疲労感・休憩後の精神的な疲労感

11.休憩の過ごし方とプレゼンティズムの発生割合において、最も高かったのは「仮眠タイプ(22.0%)」、次いで「不本意タイプ(21.0%)」という結果に。一方で、最も低かったのは「交流タイプ(15.6%)」となった。

休憩の過ごし方とプレゼンティズムの発生割合

【調査概要】

調査概要

<参考>
パーソル総合研究所『はたらく人の休憩に関する定量調査