東京電力ホールディングス(以下、東京電力HD)、東京電力エナジーパートナー(以下、東京電力EP)、エナジーゲートウェイ(以下、EG)、シャープエネルギーソリューション(以下、SESJ)は、シャープ製の家庭用蓄電池を遠隔制御するDR(※1)の実証を、12月27日から開始すると発表した。
昨今、気温上昇などによる急な電力の需要増加や発電機のトラブルなどによる供給力の低下により、電力需給がひっ迫するケースが相次いでいる。一方で、再生可能エネルギー導入量の増加を背景に、太陽光発電などの出力制御を実施するケースも全国的に広がっているという。
こうした中、電力需給バランスを維持するために、電力供給量の変動に応じて、電力需要量を抑制・創出する必要性が高まっており、家庭用蓄電池を用いた調整力の創出が重要と考え、同実証を行うとしている。
調整力の創出にあたり、同実証では、分散型エネルギーの相互接続を容易にする情報通信基盤であるPublic Power HUB(※2)(以下、PPH)を採用。これにより多種多様な通信方式を持つ家庭用蓄電池を効率的に束ねて制御していくことが可能になるとのことだ。
同実証では、クラウドを活用したHEMS(※3)サービス「COCORO ENERGY(※4)」と連携したシャープ製の家庭用蓄電池を、PPHを通じて遠隔制御することで、調整力創出量などを検証。
4社は、同実証を通じて得られた知見をもとに、再生可能エネルギーの有効活用や電力の安定供給、利用者の負担軽減につながる新たな家庭向けDRサービスの検討を進め、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献するとしている。
■実証概要
実証概要と各社の役割は以下の通り。
(※1)Demand Responseの略で、需要家側が電力使用量をコントロールすることで、電力需給バランスを調整する仕組み
(※2)電気通信事業などを展開するEX4Energyが提供するエネルギー機器相互接続サービスで、メーカごとに異なる通信方式を最適に調整することができ、電力会社から複数のメーカに対してより効率的に機器制御指示を行うことが可能になる
(※3)Home Energy Management Systemの略で、住宅で使用するエネルギーを管理・制御するシステム
(※4)AIを活用したシャープのクラウドHEMSサービスの名称