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国際社会経済研究所(IISE)は、生活者実態調査の1つとして「ファンクラブ加入状況と公演チケット購入と推し活」調査を実施し、結果を公表した。
■ファンクラブの加入状況
ライブ/イベントのチケット購入者におけるファンクラブの加入状況は全体平均43%。
加入動機は「先行チケット購入権(67%)」が突出して高く、次いで「アーティストを応援できる(33%)」、「限定イベントへの参加(29%)」と続く。
■イベントの参加状況/チケット購入方法
29歳以下の女性のうち50%が「ファンクラブを通じて」チケットを購入。
チケット購入方法は、「チケット会社の販売サイト」が全体ではもっともよく利用され、チケット購入回数・購入金額が多い(高い)人ほど、ファンクラブの利用率が高くなっている。
■チケット購入時の不満・不安
価格に関する不満が最も高く、次いで「諸手数料などの追加料金がかかる(30%)」、「人気の公演・イベントのチケットが買えない/買いにくい(29%)」の順に高くなった。
そのほか、「座席の選択ができない、または不明確」「購入後のキャンセルや変更が難しい」「ファンクラブに入っていても買えないことがある」「日程が先過ぎて予定が立てにくい」など、多岐に渡る不満が20%以上。
この結果から、「チケット購入の困難さと不公平感」「価格に対する納得感」「日程の不安感・購入後の柔軟性」「購入プロセスで感じるストレス」この4つの視点に基づいて、チケット問題・課題を解決することが望まれていると同社は考察している。
■不正転売禁止法に対する意識
内容を含む認知率は59%だが、法律の内容を提示後の賛成比率は8割に達した。
不正転売禁止法によりチケット購入時の不公平感は軽減できると感じる一方、いざというときに「高価であれば購入できる」という安心感がなくなるとも感じられる。
■公式リセールの仕組みに対する意識
公正取引によるリセールについては男女、年齢問わず70~80%の高水準で賛成派が多く、行けなくなったチケットを無駄にしないことや流通経路が明確であることが賛成意識と関係していると同社は考察。
「不正転売禁止法にも賛成」かつ「公式リセールの仕組みにも賛成」とした比率は71%に達する。
この結果から、不正転売禁止法による“リセール行動の制約”は、公式取引の仕組みとセットで構築・提供されることが好ましいことがわかる。
■推し活に対する意識
推し活に対するポジティブな考えかた・態度としては「推し活をすることで、日常生活に喜びや充実感を感じたい」が46%でもっとも高く、次いで「アーティストのライブやイベントに積極的に参加したい」が38%。
自分(ファン)自身がライブやイベントを体験するだけでなく、「推しの対象をサポートする力になりたい」という意識は女性のほうが高く、「他のファンとの交流を深めたい」という意識は男性の方が高くなっている。
■推し活に使う年間支出額
「推し活への支出額」を「推し活に対する考えかた・態度」別で見ると、「他のファンに負けたくない」という意識を持つ人の支出金額がもっとも高く154,669円。
次いで「推し活をやめられない義務感を感じる」人は142,551円、「推しのことで気持ちの浮き沈みが多い」人は137,452円。ネガティブな感情が高額支出につながっている結果に。
■推し活に関するソリューション・ニーズ
「魅力を感じる仕組み」として、「ライブやイベントのチケット偽造防止やリセールでの透明性を確保する」がもっとも高く29%、次いで「現地限定グッズの後買いサービス」が25%。今後のソリューションとして期待されている。
【調査概要】
調査手法:インターネット調査
対象者条件:
<スクリーニング調査>18~69歳の男女の一般生活者(n=10,937)
<本調査>過去2年以内に、音楽・演劇・演芸いずれかライブ・イベントのチケットを購入した人(n=1,216)
調査時期:2024年8月18日~2024年8月27日
調査機関:株式会社国際社会経済研究所(IISE)
<参考>
国際社会経済研究所(IISE)『「ファンクラブ加入状況と公演チケット購入と推し活」調査』