インドネシア共和国西パプア州におけるタングーLNGプロジェクトの参加各社は、オペレーターであるbpと推進する同プロジェクトにおいて、総額70億米ドル規模の拡張開発計画(タングーUCCプロジェクト)の最終投資決定を行ったと発表した。
同計画は、天然ガス生産量を約3兆立方フィート増加させることを目指しており、日本を含むアジア諸国への安定的なエネルギー供給への貢献が期待されているという。既存施設を活用し、ウバダリガス田の開発、CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)技術の導入、ガス送圧能力を増強するコンプレッサーの設置を含む内容で、2028年以降に順次生産・稼働を開始する予定とのことだ。
同計画において導入されるCCUSは、インドネシア国内初の大規模プロジェクトであり、インドネシアにおけるCCUS技術の発展に寄与することが見込まれているという。CCUS技術は、温室効果ガスであるCO2の回収、利用、貯留を行い、同計画では回収されたCO2を活用して天然ガス増産(EGR:Enhanced Gas Recovery)を実現するとしている。
タングーLNG基地は、インドネシア西パプア州ビントゥニ湾に位置し、現在年間約1,140万トンのLNG生産能力を有している。プロジェクトは、オペレーターを務めるbpを中心とするコンソーシアムが、インドネシア石油ガス上流事業監督執行機関(SKK Migas)との生産分与契約に基づき運営している。
同プロジェクトにおける権益比率は以下の通り。
・bp:40.22%
・MI Berau B.V.(三菱商事、INPEX):16.30%
・CNOOC Muturi Limited(中国海洋石油総公司):13.90%
・日石ベラウ石油開発(JX石油開発、エネルギー・金属鉱物資源機構):12.23%
・ケージーベラウ石油開発(エネルギー・金属鉱物資源機構、三井物産、JX石油開発、三菱商事、INPEX):8.56%
・Indonesia Natural Gas Resources Muturi Inc.(エルエヌジージャパン):7.35%
・ケージーウィリアガール石油開発(三井物産):1.44%