味の素は、全国の10〜50代の一人暮らしをしている500名を対象に、「スマホ見ながら飯」に関する調査を実施し、結果を公表した。

(1)一人で食事をする10~20代の約8割が「スマホ見ながら飯」をしていると回答!その内62.5%が「ほぼ毎日している」ことが明らかに

スマホを見ながら一人で食事をする、通称「スマホ見ながら飯」をしている人は、10~20代では77.5%という結果に。さらに「スマホ見ながら飯」の頻度を聞くと「毎日」「ほとんど毎日」という回答が62.5%となり、若者の多くに「スマホ見ながら飯」が定着していることが伺えた。

さらに、10~20代の「スマホ見ながら飯」の割合は30~50代の約1.6倍にもなることが判明。

動画やSNSなど、スマホ一つで楽しめるコンテンツに小さい頃から慣れ親しんでいる若者世代にとって、「スマホ見ながら飯」は当たり前の行動になってしまっているのかもしれないと同社は考察している。

「スマホ見ながら飯」をしている割合

また、「スマホ見ながら飯」をしたことがある10〜20代に対して理由を聞くと、約4人に1人が「一人の食事がさみしい」、約5人に1人が「スマホをいじることが習慣化してしまっている」と回答。

さらに34.1%が「食事中の時間を有効活用したい」と答え、10〜20代は食事の時間にもスマホが手放せなくなっていると同社は考察。

「スマホ見ながら飯」をする理由

(2)10~20代で「スマホを操作・視聴をしながら食事をする際に味わって食事ができていない」人は46.4%。誰かと食事をしている時の方が、食事への満足度が高いという結果も

10~20代の「スマホ見ながら飯」をしている人に向けて、「味わって食事ができているか」と質問すると、46.4%が「味わって食事ができていない」と回答する結果に。

また、10〜20代に「スマホ見ながら飯」をしている環境について聞くと、84.5%の人が週に4日以上一人で夕食をとっていることが判明。この結果からも食事の環境が「スマホ見ながら飯」の習慣化につながる要因になっている可能性が考えられる。

味わって食事ができているか・誰かと食事する場面について

一方、誰かと食事する場面について聞くと、61.0%が「一人の時に比べて誰かと食事をしている方が味わって食べる意識はある」と答えた。

また、誰かと食事をしているときの満足度についての質問では「一人の時に比べて食事の満足度が高いと感じる」と答えた人が61.5%になり、一人のときより、誰かと食事をしているときの方が食事をおいしく食べていると感じる人が多いことが明らかとなった。

(3)「スマホ見ながら飯」をする10~20代の69.6%が「ついだらだら食べてしまう」傾向に。「食事が作業的になっている」「満腹感を感じにくく、つい食べ過ぎる」など食事に集中できない人が多数

「スマホ見ながら飯」をしている際に「ついスマホの操作、視聴に集中してしまうことがあると感じる」と回答した人は10代で82.5%、20代で78.7%となった。

10代~20代に「スマホ見ながら飯」をしている際に他に感じていることを聞くと69.6%が「ついだらだら食べてしまっている」、56.1%が「食事が作業的になっていると感じる」、49.0%が「満腹感を感じにくく、つい食べ過ぎてしまう」と集中できていない理由が分かれる結果に。

「スマホ見ながら飯」の際に「ついスマホの操作、視聴に集中してしまうことがあると感じる」

「スマホ見ながら飯」をするとついスマホの方に意識が向いてしまい、食事に集中できていないのかもしれないと同社は考察している。

(4)10~20代は「スマホ見ながら飯」で食事スピードが遅くなる結果に!日常的な「だらだら食い」は過食につながる恐れも?

スマホの操作・視聴を一切していない時の食事の平均時間と、「スマホ見ながら飯」の平均時間で、最も回答の多かった時間を比較した結果、10~20代は「スマホ見ながら飯」で食事スピードが遅くなることが明らかに。

スマホの操作・視聴を一切していない時は10代が平均18.3分、20代が15.5分だったのに対して、「スマホ見ながら飯」では10代が20.3分、20代が20.6分となり、スマホの操作・視聴を一切していない食事よりも、「スマホ見ながら飯」の方が10代では約2分、20代では約5分長くなっていることが判明。

10代・20代の「スマホ見ながら飯」の平均時間

食事に集中できず、意識を分散させてしまう「スマホ見ながら飯」は、過食の原因になる「だらだら食い」につながり、健康にも影響をおよぼす可能性が見受けられる。

(5)約3人に1人が音楽やラジオを聴きながら食事する「音飯」の経験あり!経験者の約7割が「スマホ見ながら飯」よりも食事に集中している・味わいを感じると回答

10~50代の約3人に1人が「一人で食事を取る際、音楽やラジオを聴きながら食事をすることがある」と回答。

そのうち、「音楽やポッドキャスト、ラジオを聴いて食事をするときは食事に集中している・味わっていると感じる」と回答した人が67.6%となり、音楽やラジオを聴きながら食べる「音飯」は、「スマホ見ながら飯」より健康的な食習慣につながると同社は考察している。

約3人に1人が「一人で食事を取る際、音楽やラジオを聴きながら食事をすることがある」

同社は、音を聴きながら食事本来のおいしさを楽しむ「音飯プロジェクト」を実施しており、同プロジェクトでは、一人で食事をする時にスマホを置いて、出演者と一緒に聴いて・食べて楽しめるラジオ番組を展開している。

調査の結果を受け、多くの若者の間で習慣化している「スマホ見ながら飯」がもたらす「食べ過ぎ」や「味わって食事ができていない」などの課題に対し、今後も食事への集中と味わう意識を高めるアクションを提示していくとのことだ。

<参考>
味の素『「スマホ見ながら飯」に関する調査