一般社団法人日本コンタクトレンズ協会(以下、JCLA)は、毎年実施している「コンタクトレンズの正しい使用と更なる普及に向けた」消費者実態調査の結果を発表した。

同調査は今年で10回目となり、コンタクトレンズ(以下、CL)ユーザーの購入や使用の実態、眼科受診の頻度、CLおよびCLケースのリサイクル意向等を明らかにすることで、CLの適正使用や定期的な眼科受診の啓発に生かす目的で実施している。

(1)若年層(10・20代)カラーCLユーザーの購入時の都度眼科受診は1割以下、10代では「一度も眼科を受診したことがない」が4人に1人、「初回以降受診していない」も21.5%という結果に

購入時の眼科受診の頻度について聞いたところ、女性のカラーCLユーザー、特に10代・20代の若年層の状況が最も懸念される結果に。

「購入するたびに受診している」は、10代6%、20代前半10%、20代後半9.5%と、いずれも1割以下となり、10代では「初めて購入した時も含め一度も受診したことがない」が4人に1人(25.5%)いることが判明。

オレンジ色で示している「初めて購入した時は受診したが、その後は受診していない」の21.5%とあわせると、約半数の47%が初めて購入した際、あるいはその後に眼科受診をしていないことが明らかとなった。

購入時の眼科受診実態:女性全体(n=2,400)

(2)眼障害を発症したユーザーは女性4.8%に比べて、男性が10.8%。男性ユーザーの使用コンプライアンス低下が要因か

CLの使い方が原因で1カ月間以上加療した経験があると回答した男性ユーザーは10.8%で、女性ユーザーを4.8%上回った。

目の異常の有無

使用コンプライアンスについて聞いたところ、赤で囲んだ「2枚重ねで装用」、「レンズの貸し借り」、「専用洗浄剤ではない洗剤でレンズを洗った」、「水道水でレンズを洗った」、「水道水でレンズを保存した」の5項目で、男性ユーザーのほうが女性ユーザーよりも高い結果に。

2021年と比較しても大きく上昇していることがわかる。

以上のことから同社は、使用コンプライアンスの低下と眼障害の発症には関連があると推測している。

使用コンプラインス実態

昨今、インターネット販売店や雑貨店・ディスカウントストアなどの非対面販売チャネルでもCLが購入できるようになり、多くのユーザー(特にカラーCLユーザー)が利用している。(非対面販売チャネル:インターネット販売店42%、その他24%合計66%)

最も購入頻度の高い施設:女性カラーCLユーザー(n=1,200)

特に、「その他」については、2020年と比較すると、7ポイント上昇。便利な反面、対面販売に比べて眼科受診の推奨や適正使用の指導がされにくいため、眼科受診頻度の低下や使用コンプライアンスの低下の一因になっていると同社は考察している。