マイナビは、20~50代の正社員のうち、2024年4月に転職活動を行った人と、今後3カ月で転職活動を行う予定の人1,342人を対象に「2024年夏ボーナスと転職に関する調査」を実施し、その結果を公表した。

■約2人に1人が「賞与が少ない」ことを理由に転職したことがある

賞与が少ないことを理由に転職をしたことがあるか聞いたところ、49.2%が「ある」と回答し、転職理由となった賞与の平均額は28.3万円だった。

年代別では20代において、「1番大きな転職理由だった」の割合が35.2%と最も高く、若年層ほど賞与額の少なさが転職の理由になっていることが分かった。

賞与が少ないことを理由に転職をした経験

また、「1番ではないが転職理由だった」と回答した人に1番の転職理由を聞いたところ、「賞与以外の給与(月給)が低かった」が最多で、賞与に限らず金銭的な点が転職理由で多いことが明らかに。

「賞与が少ない」が1番ではない人の1番の転職理由

■予想している夏の賞与額は平均51.8万円、理想は平均94.8万円とギャップは40万円以上

次に、前年・今年の夏の賞与額の予想と理想を聞いたところ、前年夏の賞与額は平均50.1万円、今年予想している夏の賞与額は平均51.8万円で大きな変化は見られなかった。

また、自分の仕事に見合う理想の賞与額は平均94.8万円となり、予想と理想の賞与の差は43.0万円に。

前年・今年の予想・理想の「夏の賞与額」

今年の夏ボーナスに「賃上げの機運を感じているか」を聞いたところ、「そう思わない」「あまりそう思わない」を合計すると、62.2%が「今回の夏ボーナスに賃上げの機運は感じていない」と回答。

また、役職別に見ると、夏ボーナスに賃上げの機運を感じていないという回答が特に多かったのは「役職には就いていない」人で70.2%だった。

今回の夏ボーナスに賃上げの機運を感じているか

■前年もらった夏の賞与額に納得していない人は半数以上。「賞与」への納得感が低い人は、「評価」への納得感も低い傾向

前年夏の賞与額に納得感があるかを聞いたところ、「どちらかといえばそう思う」が最多だった。一方で、「あまりそう思わない」「そう思わない」と回答した人は53.6%で、半数以上は賞与額に納得していないことが分かった。

次に、直近の自身の評価に納得感があるかを聞いたところ、57.6%の人が「あまりそう思わない」「そう思わない」と回答し、半数以上が評価に納得していないという結果に。

また、「賞与への納得感」と「評価への納得感」の相関係数(※)は0.765となり、強い相関関係があるため、賞与への納得感が低い人は、評価への納得感も低い傾向にあると同社は考察している。

前年もらった夏の賞与額、直近の地震の評価に納得感があるかどうか

■評価への納得感がない理由は「評価基準の不明瞭さ」「フィードバックの欠如」

賞与への納得感がない理由を聞いたところ、「世間一般の平均額に遠く及ばない」「全員が一律の金額だから」など金額への不満のほか、「賞与額の計算方法の周知がされていない」など算定基準が不明瞭なため自身の成績が金額に反映されていないように感じるという回答が目立った。

また、評価への納得感がない理由としては、「上司との1on1ができていない」「評価基準がそもそも存在しない・不明瞭」など、フィードバックの有無や評価基準の不明瞭さ、「勤務期間で賞与が決まる」といった年功序列制への不満があがった。

前年夏の賞与/直近の評価に納得感がない理由

次に、評価に納得ができた場合、仕事への満足度はどう変化するか聞いたところ、「満足度は高まる」と回答した人は55.7%だった。

賞与と評価の納得感には相関が見られているため、双方の納得感が得られることで、仕事に満足感を持って働く人が増えるのではないかと同社は考察している。

評価に納得ができたら仕事への満足度はどのように変化するか

(※)2種類のデータ間の関連性(相関関係)の強さを示す指標。「1」に近いほど相関関係は強くなり、一般的に「0.7」以上は「強い相関関係がある」と判断されている。

【調査概要】
調査期間2024年5月1日~7日
調査対象:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20~50代の正社員のうち、2024年4月に転職活動を行った人、今後3カ月で転職活動を行う予定の人(3カ月以内に中途入社した人を除く)
調査方法:外部パネルによるインターネット調査
有効回答数:1,342名

<参考>マイナビ「2024年夏ボーナスと転職に関する調査