ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営するクラダシは、食品関連事業者を対象に「フードロスに関する意識調査」を実施し、結果を公表した。

■「フードロス削減」に関する取り組みを行っているか

企業へ「フードロス削減」に関する取り組みを行っているかを聞いたところ、81.8%の食品関連事業者がフードロス削減に関する取り組みを「行っている」と回答。

多くの食品関連事業者がフードロス削減に取り組んでいることがわかった。

「フードロス削減」に関する取り組みを行っているか

■取り組みを始めた理由

フードロス削減を行う理由として最も多かったのは、「廃棄コストの削減」で72.7%。次いで「廃棄による環境負荷の低減」が50.0%となった。

廃棄コストのみならず、環境負荷を意識している食品関連事業者が半数という結果に。

取り組みを始めた理由

■フードロス削減のために行っている取り組み

フードロス削減の取り組みとして最も多かったのは、「生産量を調整する」、「Kuradashiなどを利用して再流通させる」がいずれも48.5%、次いで「値引きして販売する」が47.5%という結果に。

恵方巻などの季節商品のロスが問題となっているなか、季節商品のロス削減に取り組む食品関連事業者も多く、「季節限定パッケージへの変更や商品リニューアルの回数を減らす」との回答も8.3%となった。

フードロス削減のために行っている取り組み

■フードロスの発生比率は生産量全体の何%程度か

フードロスの発生比率を質問したところ、「分からない」という回答を除くと生産量全体の「1〜5%程度」という回答が最も多く33.5%、次いで「1%未満」が22.1%でとなった。

食品関連事業者にとって、フードロスの発生が生産性・経済性に一定の影響を与えていることが読み取れ、製造や流通過程におけるフードロス削減に今後も継続的に取り組む必要があるとしている。

フードロスの発生比率は生産量全体の何%程度か

■昨今の物価高や原料高騰などを受けて、フードロスの発生量はどう変化しているか

物価高や原料高騰などを受けて、フードロスの発生量はどう変化しているかを聞いたところ、「変わらない」という回答が最も多く37.1%、次いで「減少傾向」という回答が31.1%となった。

フードロス削減に対する取り組みを「強化している」または「継続している」食品関連事業者が多く、原料高騰などが相次ぐなかでも、各社がフードロス削減に取り組んでいることが読み取れる。

物価高や原料高騰などを受けてフードロスの発生量はどう変化しているか

増加傾向と回答した企業へ増加した要因を聞いたところ、「物価高騰の影響による需要の変化」との回答が最も多く34.3%。

「内容量や原料などの見直しで商品リニューアルによる旧規格の商品によるロス発生」という回答が次いで25.7%となり、昨今の物価高や原料高騰がフードロス増加の一因であったことが読み取れる。

減少した要因は、「需要予測の制度の向上(AI以外の施策)」との回答が最も多く33.3%。「賞味期限の延長もしくは年月表記に取り組んでいる」という回答が次いで12.9%となり、各社がフードロスを削減するために、さまざまな対策を行っていることがわかった。

【左】増加した要因【右】減少した要因

■物流の問題を改善するために取り組んでいること

物流の問題は食品業界にも大きな影響を与えている。運送業者の人手不足は、食品の配送遅延や配達不能などの問題を引き起こし、鮮度が命の食品にとってはこれが直接的なロスの増加につながるという。

また、ドライバー不足によって輸送コストが上昇し、食品の価格に転嫁される可能性もあると言われているなか、物流の問題を改善するために取り組んでいることを聞いたところ、「変わらない」が40.9%、次いで「一度に輸送する量を増やした」との回答が25.0%となった。

「共同輸送をはじめた」という回答も18.2%となり、一部の食品関連事業者においては対策をはじめていることがわかる。

物流の問題を改善するために取り組んでいること

<参考>
Kuradashi『フードロスに関するアンケート』