大日本印刷は、福岡県と公益財団法人福岡県リサイクル総合研究事業化センター、公益社団法人福岡県薬剤師会等と協同で、「医薬品ボトル回収・再資源化実証事業」に取り組んでおり、同取り組みの一環として薬局で回収した医薬品ボトル等からリサイクルした製品(お薬手帳カバー・お薬BOX)を製造し、3月22日から順次実証事業参加の薬局に配布すると発表した。
また、医薬品ボトルの回収・リサイクル拡大に向けた、リサイクルしやすい医薬品ボトルに関するガイドを設計し、医薬品メーカー等の関係者に公開、医薬品ボトルのリサイクルに向けた取り組みを働きかけるとしている。
良質なプラスチックが使われることが多い医薬品ボトルは、使用済みでも汚れが少なく再資源化に適しており、リサイクル推進が大きく期待される製品群の1つとなっているが、回収方法が確立されていないためリサイクルが十分に進んでおらず、多くが焼却処理されているという。
こうした課題の解決に向けて同社は、医薬品ボトルの回収・再資源化に関する福岡県での実証事業に2023年度から参画し、リサイクルに関する課題の整理やリサイクル品の試作に取り組んでいるとのことだ。
同取り組みの一環として今回、医薬品ボトルを市中で回収してリサイクル品を開発・製造する取り組みを実施するという。
■同実証事業における主な取り組み
回収した医薬品ボトル由来の再生材料を使用し薬局へ配布するリサイクル製品を作成
回収した医薬品ボトルをマテリアルリサイクル(廃棄物を新たな製品の原材料として再利用)し、リサイクル品の検討・提案・製造を推進。
実証事業に参加した280の薬局で回収した医薬品ボトルを使用し、薬局からのニーズが高かった「お薬手帳カバー」と「お薬BOX」を作成したとのことだ。3月22日から実証事業参加の薬局へ配布し、製品の評価などをヒアリングするとしている。
リサイクル可能な医薬品ボトルをより増やすための「環境配慮設計ガイド」を作成
医薬品ボトル回収時の課題を把握・分析し、リサイクルに適した医薬品ボトルの仕様や、その仕様を検討する際の優先度等を示した医薬品や医薬品ボトルのメーカー向けの「環境配慮設計ガイド」を作成。今後、業界内へ公開し、意見交換を通して内容をブラッシュアップするとのことだ。
官民間の資源循環に向けた相互理解促進
資源回収時の現地調査や薬局でのヒアリングに基づく、リサイクルに適したボトルの検討を推進。ヒアリングを通して、最前線の現場の実態を理解することで、リサイクルに関わる人の負荷を低減し、回収促進につながるリサイクルスキーム(枠組み)の構築やリサイクル材活用についての検討を実施したという。