パルシステムは、4月から政府が呼びかける「再配達削減PR月間」に協力することを発表した。

トラックドライバーの労働環境を改善する法改正にともない、輸送できる荷物の量が減少したり、ドライバーが不足したりする「2024年問題」が懸念されている中、同社は注文された商品の仕分けや置き配をはじめとする配達の工夫により「再配達ゼロ」を実現しているとのことだ。

■取り組み内容

●不在時は置き配で「再配達ゼロ」

同社の配達は週1回、決まった曜日、時間帯に定期的に利用者を訪問。不在の場合は、専用の折りたたみコンテナや保冷箱に入れて、玄関先などに置き配するという。

置き配が認められない集合住宅などは、事前に配達日時を指定してもらう「指定便」(一部地域のみ)が利用できるため「再配達ゼロ」が実現できているとのことだ。

置き配では、封印シールや商品カバーなどを活用し、盗難やいたずらを防止。また配達時は商品や注文に必要なカタログ類を届ける一方、牛乳パックや使用済みのびんなどを回収。使用した箱類も同じく回収し再利用することで、環境への負荷を低減しているという。

不在時は置き配で「再配達ゼロ」

●事前仕分けで配達の負担を軽減

同社が注文を受ける商品の数は、1週間当たり1千万点以上。商品は「セットセンター」と呼ばれる施設で個人別に商品を仕分けられており、セットセンターは、温度帯ごとに「常温」、「青果」、「冷蔵」、「冷凍」に分けて稼働することで品質管理を徹底しているという。

セットセンターで仕分けられた商品は、エリア内に64カ所ある「配送センター」へ送られ、配送用のトラックに積み込まれるが、あらかじめ商品が注文者別に袋や箱にまとめられているため、配達担当の作業負担を大幅に軽減しているとのことだ。

事前仕分けで配達の負担を軽減

●体験施設や書籍協力で認知向上

物流に対する理解を高めてもらうため、同社は2023年8月に「物流・ITおしごと体験施設」をオープン。実際に物流センターで使用されている同じ機械を使って、仕分け作業を体験することができるという。

さらに毎日新聞出版が発行した「月刊Newsがわかる」特別編「物流がわかる」で、宅配サービスの密着取材に協力。

妹のためにバースデーケーキを作ろうと注文されたイチゴや牛乳などの商品追跡し、物流センターで仕分けや配送センターから家に届けるまでの各工程を写真やイラストも交え紹介しているとのことだ。

体験施設や書籍協力で認知向上