本コラムは、企業・団体などから寄稿された記事となります。掲載している取組みやサービスの内容・品質、企業・団体などをAMPが推奨・保証するものではありません。

各企業・一人ひとりのパートナーシップ構築の加速をサポートするため、サステナブル推進企業の取り組み事例をコラム形式で提供。

今回は株式会社THINKSTHINKSの取り組みを紹介する。

株式会社THINKSTHINKSの取り組み

ここでは、サステナブルな社会の実現に向けた事業内容について
▼アプローチ視点
▼実施内容
▼推進体制
の3つの視点を一覧形式で紹介する。

アプローチ視点 エシカルクリエイティブの企画提案において、多角的なアプローチをおこないますが、「17.パートナーシップで目標を達成しよう」を体現しながら、特に多くの行政や企業が課題として挙げる「11.住み続けられるまちづくりを」「12.つくる責任、つかう責任」に対して、多く取り組んでいます。
実施内容 当社の掲げるコンセプト「エシカルクリエイティブ」は、「良い関係性を構築するためのクリエイティブ」と定義しています。「顧客・消費者同士」、「顧客・消費者と環境」、「顧客・消費者と社会」において、「良い関係性」を築けるか、という視点でプロジェクトに取り組む中で、新たな地域活性化プロジェクト「山梨県小菅村エシカルウエディング」のサービスを開始いたしました。
推進体制 当社は、サステナビリティーも包括する「エシカル」という考え方が存在意義となっており、プロジェクトごとに相応しい人材、パートナー企業を活用し、多様な働き方を実現するチームとなってプロジェクトを推進する体制をとっています。

取り組み実施に至った背景

当社の場合、会社創立の目的自体が、サステナビリティーの推進であると言えます。会社の前身は、当社クリエイティブディレクターの石井なお子が2016年からスタートしたクリエイティブな社会貢献活動「THINKS」です。

現在も会社で継続しているテーマである「人によいこと、環境によいこと、社会によいことをデザインコンシャスに」、は、その際に生まれ、障がい者福祉施設の活用やフェアトレード商品の発信、環境をテーマにしたアート作品のディレクションなどの活動を行ってきました。もともと石井自身はその母の影響でボランティア活動や社会課題に関心高かったという環境でしたが、外に発信するという認識はありませんでした。

しかし、2011年に東日本大震災が発生。家や仕事を失い困っている人、食の安全や原発の必要性、環境問題や再生エネルギー、少数派で生きづらい環境にいる人についてなど、社会課題が身近な話題となり、石井は時代が変わったと感じるとともに、自分自身が幸せでいるためにもその解決策を模索し、できることからはじめる活動として「THINKS」をスタートしました。

当社はそのコンセプトを継承し、企業や行政、各団体のCO2排出削減や廃棄物の削減、4Rの仕組みづくり、持続的なまちづくりなど、さらに幅広く個々の課題達成に貢献できるサービスやブランド構築の支援を行うことで、一人でも多く「幸せ」な環境を作り出すことを目指しています。

また当社は環境や社会に配慮した公益性の高い企業に与えられる国際認証であるB-Corpを5年後に取得することを目指しています。B-Corpは、非常に厳格な審査であることが知られている認証制度ですが、当社の姿勢を示すことができる具体的な数値が提示してあり、KPIとして明確であるため、やりがいをもって着実に進めていきたいと考えています。

実施している取り組み

新たな地域活性化プロジェクト「山梨県小菅村、エシカルウエディング」のサービスを開始いたしました。山梨県小菅村は東京都心から車で約2時間弱の場所に位置し、村民約650人の限界集落といわれる村のひとつです。このウエディングサービスは、山梨県小菅村の村役場が全面バックアップのもと、村の古民家ホテル「NIPPONIA小菅 源流の村」との共同事業として当社がプロデュースしました。

村全体を結婚式の舞台に見立て、村の素晴らしい自然環境と古民家ホテルの価値に着目し、当社が提唱している「エシカルクリエイティブ」のひとつとして、「ウエディング」で村の関係人口の創出・強化と、村内における経済活性化に貢献することをゴールとしました。

同サービスの内容は2泊3日の滞在型ウエディングで、ターゲットは結婚披露宴の開催を予定していなかった首都圏に住む田舎を持たないカップルです。その日に採れる村の野菜や川魚を活用した料理の数々、間伐材を活用したオリジナルアイテム、豊かな自然を保つよう、できるだけ東京から持ち込むものは少なく、廃棄物を減らした資材選定、そして村人と交流するきっかけを随所にちりばめ、この結婚式を機に「豊かな田舎のある未来」をカップルに提案しています。

結婚式というものは多くの分野の人たちが関わって出来上がっていくものです。それに加え、今回の企画は多くの村人にも参加していただくことがキモのプロジェクトでもありました。そのため、ハードルはいくつもありました。

・すぐに飛んでいけない距離
・業務に慣れない人たちとの調整
・まだ誰も見たことのないものを創り上げる

この3点は、プロジェクト推進をされたことのある方にはハードルとしてご共感いただけるポイントかもしれません。直前に物事が変わってしまうこともあれば、確定させたものを変更しなければならないこともある。何回も説明したつもりでも、通じていない、進んでいないということも“あるある”でしょう。そんな都度起こる問題に対し、解決できる最善の策は、結局当たり前である「話す」ことを怠らないことと言えます。

チャットで、電話で、ZOOMで、直接。長年プロジェクトマネージャーとして従事してきましたが、相手にどれだけ敬意を払い、感謝をこめてコミュニケーションをとれるかがプロジェクトの成否を分けると考えています。

また「やってあげている」という感覚は捨て去ることも重要です。社会課題解決をテーマに掲げると、そういった態度でプロジェクトに臨まれる方も見受けられます。しかし、自分たちこそが「ここで楽しい時間を過ごさせてもらっている」という感覚がとても大切です。だからこそ「自分たちが楽しい時間を一緒に過ごせるか」という観点で協力関係を築けるよう、事前に丁寧にコミュニケーションをはかることに重きを置きます。それは、私たちも先方からそのように思われなければならないということです。お互いが相手への思いやりと想像力を持ち、対等で率直なパートナーシップを構築することが、エシカルクリエイティブの第一歩だと考えます。そういった関係性こそが、「幸せ」を生み出す好循環のはじまりであると、このプロジェクトを通して改めて実感しています。

先日開催された本物の新郎新婦様に参加していただいて開催したプレウエディングは、プレスリリースを発行し、ありがたいことに取材も数社に入っていただきました。その上で当日のニュースでは「村の取り組み」として、とても「あたたかな結婚式」という報道をしていただくことができました。

「結婚式」というコンテンツにして良かったのは、「結婚式」を知ることは、その土地の文化を知ることであると改めて感じることができた点です。その土地のお年寄りに話を伺い、郷土史を調べた結果、村の慣習を一部復活させることで、村の文化を承継することにつながり、村人にも大変喜んでいただきました。そして参加した新郎新婦様からも「一生の思い出になりました。もし受け入れていただけるなら、僕たちも村人です!」と喜びのご挨拶をいただけたことは、私たちにとって「幸せ」以外何物でもありませんでした。

今後の目標や展望

今後、サステナブルな取り組みやエシカルな取り組みは、経済活動、社会活動の中でどちらもさらに重要視され、ある意味必然になってくることが予想されます。そんな中、人々の価値観は多様化され、”マス”がいなくなったとされる昨今、サービスも、コンテンツも、商品も、仕事も、より本質的な価値が問われてきていると感じています。

そういった時代、どれだけ真剣に「面白さ」「楽しさ」「驚き」「感動」を、人にも環境にも社会にも優しく生み出すことができるか、それこそが私たちの価値だと考えています。組織の在り方としての目標の一つは5年後のB-Corpの取得ですが、当社の価値をさらに磨くことで、当社のステークホルダーが笑顔でいられることこそが私たちが実現したいことと言えるのかもしれません。

そして私たちは、以下のような方々とエシカルクリエイティブにおいて縦にも横にも斜めにもつながり、互いの価値を提供しあいながら網の目のような強固なパートナーシップを組み、社会課題も解決できる「幸せ」なプロジェクトを生み出していけることを目指したいと考えています。

・「サステナブル」や「エシカル」な商材、サービス、技術を扱っている企業
・自社で「サステナブル」をキーワードに新たな事業を立ち上げたいと考えている企業
・取引企業から「サステナブル」や「エシカル」をキーワードに企画提案を依頼されている企業
・社会課題を抱えており、「サステナブル」や「エシカル」の考え方で解決をしたいと考えている行政
・「エシカルクリエイティブ」の考え方に共感する、何かしらのプロフェッショナルの個人

「17.パートナーシップで目標を達成しよう」

島野 麻里
株式会社THINKSTHINKS 代表取締役、プロデューサー/中小企業診断士
ブライダル、クリエイティブエージェンシー、ジュエリーブランド等にて、セールス、デザイン、プロジェクトマネジメント、ブランディング、PR、マーケティング経験を積んだ後、2018年独立。クリエイティブディレクター石井なお子が提唱していた「ひとによいこと、環境によいこと、社会によいこと、をデザインコンシャスに」をテーマにした活動「THINKS」と共鳴し、株式会社THINKSTHINKSとして法人化。女性が活躍する職場での職歴が長く、採用・指導・評価を行ってきた経験より、女性や弱い立場となりがちな人の輝く職場づくりや、地域活性化支援、日本企業の99%を占める中小企業のブランド化支援に対し、エシカルなクリエイティブの視点を取り入れたプロジェクトの提案・伴走を信条としている。
▼お問い合わせ先
●株式会社THINKSTHINKS/シンクスシンクス
●URL:https://www.thinksthinks.com/

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