Kenvue(旧ジョンソン・エンド・ジョンソンコンシューマーヘルス)は、20代~60代の男女3,000人を対象に、体調管理と口内環境に関する調査を行い、結果を公表した。

「体調管理」と「腸活」の実態

◼20代〜60代男女の83.6%が体調管理に何らかの「課題」を自覚

まず、現在、体調管理において課題を感じるかと聞くと、全体の83.6%が体調管理に何らかの課題を抱えていることがわかった。

また改善したい体調管理の課題を聞くと、寝つきにくい・眠りが浅い・目覚めにくいなどの「睡眠の質の低下」(21.2%)、「目の疲れ」(20.7%)、「肩こり」(18.0%)、「腰痛」(16.4%)、「体力の低下」(15.4%)が上位に挙げられている。

【左】体調管理において課題を感じるかと【右】改善したい体調管理の課題

◼「腸活」が体調ケアのTop5入り、64.8%が「免疫力向上」のために実践

体調管理に課題を感じると答えた2,509人に体調管理のためのケアを行っているかと聞くと、66.5%が何らかのケアを行っていると回答。具体的には「運動」(31.5%)、「食事」(28.1%)、「サプリメント」(21.5%)、「睡眠対策」(16.2%)が多く、これら基礎的なケアに次いで多いのが「腸活」(13.8%)となった。

体調管理のために腸活を行っていると答えた347人に、腸活をする目的を聞くと、「便秘改善」(67.1%)と並んで、64.8%の人が「免疫力の向上」と回答。腸内フローラの細菌バランスが乱れてしまうと全身の免疫系に影響を与えてしまうおそれがあるこがわかっているが、同社は「腸=免疫器官」として認知されていることがうかがえるとしている。

【左】体調管理のためのケアを行っているか【右】腸活をする目的

9割が知らない「口内悪玉菌」の腸内環境への影響

◼体調管理のために腸活を実践している人の96.3%が「今後も継続したい」と回答

運動や食事、睡眠と並び体調管理のために行っている人が多く、体調管理のケア方法としてスタンダードとなっていることがわかった腸活だが、その継続意向についても調査。

体調管理のために腸活を行っていると答えた347人に、今行っている腸活を今後も続けていきたいかを聞くと、96.3%が「今後も続けたい」と回答する結果に。9割以上の人は、現在取り組んでいる「腸活」に対して、継続したいと考えていることがわかった。

腸活を今後も続けていきたいか

◼体調管理のスタンダード「腸活」にも影響するおそれあり約9割が知らない、口の中の悪玉菌が腸内環境にも影響している可能性

体調管理のスタンダードであり、継続意向が高い腸活だが、実は、多くの人が知らない「腸に悪影響を与えているかもしれないリスク」があるという。

2019年に欧州分子生物学研究所で行われた唾液と便の微生物研究で、採取した菌の約3割が唾液と便の両方から採取されたと発表され、このことから「口の中の悪玉菌が、飲み込まれ腸まで届き定着している可能性が考えられ、腸内フローラに影響を与えている可能性がある」ことがわかっているとのことだ。

「口内の悪玉菌が腸内フローラに影響を与えている可能性がある」ことを知っていたかと聞くと、90.6%の人が「知らない」と答え、体調管理のために腸活を実践している人でも80.1%の人は知らないと回答。

口内の悪玉菌の腸内環境への影響認知度

「口内環境」と「口内の悪玉菌」への理解

◼約9割の人が知らない口内環境について認知率8.7%「歯ブラシでケアできるのは口内の表面積の約25%のみ」

さらに、口内環境に関して論文などで発表されている内容について、その認知を調査。

1991年、イギリスの研究で口内のうち歯の表面積が占める割合は平均25%であることが発表されている。つまり、通常の歯ブラシでケアできるのは口内の表面積の約25%のみとなるが、このことを「知っていた」のは8.7%という結果に。

また、口の中にはぬるぬるした細菌のかたまり「バイオフィルム」が歯の表面や歯周ポケットにへばりついており、口内の悪玉菌の多くはこのバイオフィルムの中にいるが、このことを「知っていた」のは12.2%であった。

さらに、バイオフィルムに対しては、エッセンシャルオイル成分の活用によって、内部まで浸透し殺菌することが可能だと「知っていた」のは4.8%と少なく、また、エッセンシャルオイルを配合した洗口液は、歯垢(バイオフィルム)の減少率においてフロスよりも効果があると発表されているが、このことを「知っていた」のもわずか4.6%となっている。

口内環境に関して論文などで発表されている内容についての認知

◼マウスウォッシュを使用する人は、使用しない人に比べて口内環境についてよく知っている傾向に

上記の結果の通り、口内環境について正しく理解している人は1割程度しかいないことが判明したが、この結果を洗口液や液体歯磨きなどのマウスウォッシュを使用している1,072人と、マウスウォッシュを使用していない1,928人とで比較。

すると、マウスウォッシュを使用している人は使用していない人に比べ、口内環境について「知っている」と答えた割合が高くなっていた。中でも液体歯磨きを使用する人の認知度は、どの設問においても最も高くなっている。

マウスウォッシュを使用者・非使用者の口内環境に対する認知率比較

「マウスウォッシュ」の使用実態

◼調査対象者のマウスウォッシュ使用率は35.7%約3人に1人が使用中

前述の結果の通り、洗口液や液体歯磨きなどのマウスウォッシュを使用している人は、使用していない人に比べ口内環境を正しく理解している人が多い傾向があることがわかった。

また、調査対象者に洗口液や液体歯磨きなどのマウスウォッシュの使用について聞くと、使用しているのは全体の35.7%となり、およそ3人に1人が使用している結果に。マウスウォッシュを使用している1,072人のうち、966人(90.1%)は洗口液、328人(30.6%)は液体歯磨きを使用している結果となった。

マウスウォッシュの使用率

◼約6割がマウスウォッシュを「口臭予防」や「虫歯予防」の目的で使用全身の体調管理のためにマウスウォッシュを使用している人は少なく、約4人に1人

洗口液や液体歯磨きなどのマウスウォッシュを使用している1,072人に、使用の目的を聞いたところ、「口臭予防」(64.8%)や「虫歯予防」(59.1%)が高く、次いで「歯肉炎予防」(45.4%)、「口内のネバつき予防」(43.6%)が続いた。

マウスウォッシュは、歯や口の中のために使用する人が多くなっている一方、「自身の健康のため」(22.1%)と答えた人は約2割と少なく、「体調管理のため」(8.4%)や「胃腸のケアのため」(3.5%)に使用する人は1割以下。

全身の体調管理のためにマウスウォッシュを使用している人は全体の26.8%にとどまっている。

マウスウォッシュの使用目的

「マウスウォッシュ」の体調管理効果

◼マウスウォッシュ使用者の半数は「体調管理」の効果を実感全身の体調管理目的で使用している人では約7割、4人に3人が効果を実感している

マウスウォッシュを全身の体調管理のために使用している人は約4人に1人と少数であったが、改めてマウスウォッシュの体調管理効果について調査。

マウスウォッシュは「体調管理」に効果があるかと聞くと、「効果がある」と答えた人は、全体としては50.4%、洗口液や液体歯磨きなどのマウスウォッシュ使用者全体では50.3%とほぼ同数となったが、液体歯磨きを使用している人に限ると57.0%と高くなっている。

さらに、全身の体調管理目的でマウスウォッシュを使用している人の効果実感は73.2%と、約4人に3人はその効果を実感していることがわかった。

マウスウォッシュの体調管理効果

◼エッセンシャルオイル成分配合のマウスウォッシュを使用している腸活実践者の約9割が、腸活の体調管理効果を実感している

全身の体調管理と併せて、マウスウォッシュが腸活に効果があるかを聞いたところ、全体では34.8%が「効果がある」と答えているが、全身の体調管理目的でマウスウォッシュを使用している人では、49.8%と約半数が「効果がある」と答える結果に。

マウスウォッシュが腸活に効果があるか

また、体調管理のために腸活を行っている人の76.1%が腸活の効果を実感しているが、エッセンシャルオイル成分配合のマウスウォッシュを使用している人では、90.7%が「腸活の効果を実感」していることがわかった。

腸活実践者のマウスウォッシュの効果実感

「体調管理と口内環境に関する調査」

【調査概要】
■実施時期:2023年6月8日~6月10日
■調査手法:インターネット調査
■調査対象:全国の20代~60代の男女3,000人(10歳刻みで男女各300人ずつ)
■調査委託先:マクロミル
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。

<参考>
Kenvue『体調管理と口内環境に関する調査』