AI・ソフト・ハードを融合させたクロスソリューションを提供するロビットは、AI外観検査ソリューション「TESRAY」シリーズに、「ロールtoロール」の生産方式で製造される、シート形状のワークの検査に最適化した汎用ソリューション「TESRAY Rシリーズ」を新たに提供開始したことを発表した。
ロビットが開発し導入を進めるAI外観検査ソリューション「TESRAY」は、検査工程の自動化に必要となるAI・撮像・ロボティクス技術を全て自社で保有することで、高精度の異常検出を瞬時に行い、インラインで全数検査を実現するオールインワンソリューション。
今回新たに開発した「TESRAY Rシリーズ」は、「ロールtoロール」の生産方式によって製造されるあらゆるシート状の製品の外観検査を行うことが可能で、AIだけでなく、コンベアや撮像光学ユニットなどのハードウェア、装置を制御するソフトウェアがオールインワンで搭載された汎用型ソリューションだという。
生産ラインの前後設備との連携にも対応しているため、生産ラインの省力化に貢献。
検査性能のコアとなる「TESRAY Rシリーズ」に搭載されているAIアルゴリズムは、従来よりシート形状の製品検査で活用されてきたルールベースの欠陥探知機では実現できなかった正常部の過検出を抑制することができるという。
具体的には、製品品質や外観上問題がない繊維のヨレなど、異常部に酷似した正常部を過検出せずに異常部のみを検出することが可能とのことだ。
■正常品/異常品における撮像画像、AIアルゴリズムの推論結果の例
1.正常品:キンク(繊維のよれ)の特徴があるが、後工程等の処理等で品質/見栄えに影響しない正常品をAIアルゴリズムは過検出せず正常品と判定。
以下図で、AI推論結果では、AIはキンク(繊維のよれ)に一定量の注目(緑色)をしているが、過検出には至っていない。
2.異常品:上記のキンクと形状が類似した異物をAIアルゴリズムは見逃さずに異常品と判定
上記のAI推論結果に比べ、以下図のAIは異物に明らかに多く注目(赤色)している。
■「TESRAY Rシリーズ」6つの特徴特徴
(1)「ロールtoロール、シート」などの生産方式で生産されるあらゆる工業製品、食品に対応(例:フィルム品、繊維織物、不織布、薄板の鋼板、麺類などの食品等)
(2)ルールベースの欠陥探知機では実現できなかった正常部の過検出の抑制が可能
(3)生産ラインにおいて、生産設備の仕様、生産速度を変えずに、既存検査装置からの置き換え、または前後の設備との連携が可能
(4)異常検出時には異常部の画像をリアルタイムにモニターに表示。製品の座標も合わせて表示することができ、異常品のエビデンス構築が可能
(5)検出した異常種類を識別し、検出数を集計することが可能。集計データを用いた品質向上のためのビッグデータ活用が可能
(6)導入後に異常の種類が増えたり、新しい製品が検査の対象となった場合でも、AIの追加学習が可能であり、また別工場への横展開が可能